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2024.06.09

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空腹時間なし=胃腸がブラック企業状態! “食養生”で10kg痩せた専門家が説くダイエット法とは



肥満に悩んでいる人であれば、できるだけ楽に体重を落として、毎日を健やかに過ごしたいと考えているだろう。

今回は、“食養生”の考え方を取り入れたダイエット法で、10kgの減量に成功した漢方家の櫻井大典さんに、食養生の基本や自らの体型に合ったダイエット法の探し方をうかがった。

何やら食養生で重要なのは、「肥甘厚味(ひかんこうみ)」を避けることらしいが、それって一体……?
話を聞いたのはこの人!
櫻井大典さん●アメリカ・カリフォルニア州立大学で心理学や代替医療を学び、帰国後、イスクラ中医薬研修塾で中医学を学ぶ。中国・首都医科大学附属北京中医医院や雲南省中医医院での研修を修了し、国際中医専門員A級資格取得。日本中医薬研究会に所属し、同志と共に定期的に漢方セミナーを開催。中医学の振興に努めている。

櫻井大典さん●漢方家。アメリカ・カリフォルニア州立大学で心理学や代替医療を学び、帰国後、イスクラ中医薬研修塾で中医学を学ぶ。国際中医専門員A級資格取得。日本中医薬研究会に所属し、定期的に漢方セミナーを開催。SNSで日々発信する養生情報は、これまでの漢方のイメージを払拭し、老若男女を問わず新たな漢方ユーザーを増やしている。著書に『まいにち漢方―体と心をいたわる365のコツ』(ナツメ社)、『漢方的おうち健診-顔をみるだけで不調と養生法がわかる』(学研)など多数。

価値観を変えた「君は食事を冒涜している」という言葉

Unsplash

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ーーまず、食養生の基本について教えてください。
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食養生とは、健康体で生活するために、何をどのように食べれば良いのか、毎日の食事から考えることです。髪の毛1本から爪の先まで、体はすべて食べた物から作られています。そのため、毎日何を食べるのかは非常に重要なのです。

ただ単に食事を我慢するのではなく、好きなものを食べたいときに食べても、びくともしない体作りが食養生です。

ーー食養生で、−10kgのダイエットに成功したそうですが、食事に対する姿勢が変わったキッカケは何だったのでしょう?

当時の先生(中国の漢方医)に、「君は食事を冒涜している」と言われたことです。目の前の食材を育ててくれた人や、運んでくれた人、調理してくれた人のことを一切考えずに、食事を無駄に摂っているといわれて、確かに無駄が多いと気付いたんです。

ーーどのようにしてダイエットに成功したんですか?

特に珍しいダイエット法を実践したわけではありません。シンプルに食事の無駄を極力無くしました。

大切なのは、お腹が空いている時間を怖がらないことです。30〜40代男性の中には、お腹が空いたらすぐに何かを食べる人もいるかと思いますが、これはおすすめしません。

お腹が空いているのは、胃腸が休んでいる証拠です。1日中お腹が膨れているのは、胃腸が常に動いているサインなので、ブラック企業のような状態になっています。

私も以前の食生活は、朝に菓子パンと甘いコーヒーを飲んで、昼と夜は高カロリーの揚げ物やお酒をたくさん摂取する毎日でした。

改善方法として、私の場合は仕事の開始が10時だったので、朝にあまりエネルギーを必要としませんでした。そのため、朝は菓子パンと甘いコーヒーから、ミニトマトと紅茶(はちみつ入り)に変更。昼食は、おにぎりと葉野菜のおひたし、ゆで卵です。

夜は20時までに食事を終わらせることを意識しましたが、我慢せずに好きなものを食べていました。

食事の無駄を極力なくす意識を持つだけで、食べる量や食材に変化が生まれます。このような生活を1年程続けたら、いつの間にか-10kgのダイエットに成功していました。
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食養生の常識「肥甘厚味(ひかんこうみ)」とは?

shutterstock

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ーー食養生の観点から、ラーメンや丼もの、お酒は体に悪影響を与えるのでしょうか?

食養生には「肥甘厚味(ひかんこうみ)」という言葉があります。
肥:油の多い食べ物
甘:甘い食べ物
厚味:味の濃い食べ物
肥甘厚味に該当する食べ物は、胃腸の負担になると考えられているため、食養生の観点から極力避けるのが無難です。揚げ物などは嗜好品と考えて、たまに食べるようにしましょう。

胃腸は体に必要なものを吸収し、不要なものを排泄物として体の外に出す役割があります。肥甘厚味を過剰に摂取して胃腸の分別機能が正常に機能しなくなると、以下の症状になることが考えられます。
食欲不振
下痢や軟便
むくみ
倦怠感
肥満
気分の落ち込み
しかし、健康のために肥甘厚味を一切取ってはいけない、というわけではありません。何事も過剰摂取は良くない、という話です。

ーー肥甘厚味以外に、体に悪影響を与える食材はありますか?
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特にこれからの暑い季節は、過剰な水分と冷たい食べ物に注意しましょう。どちらも、食養生の観点では胃腸機能を低下させると考えられています。もちろん炎天下で作業している人は、水分や冷たい物で体を冷やす必要があります。

しかし、普段からデスクワークで外に出ない方は、過剰に水分や冷たいものを摂取する必要はありません。

ーー1日に必要な水分量はどのくらいですか?

それについては人によって変わるので、一概にはいえません。私が普段実施しているカウンセリングでは、1時間程度かけてさまざまなことをヒアリングします。そうしなければ、相談に来た方の必要な水分量や漢方、食材をアドバイスできないためです。

水分は喉が渇いたと感じたら、少しだけ飲むようにしましょう。しかし夏場の出勤時など、発汗前後には軽く水分を取るのがベストです。果物や野菜、スープ・味噌汁など、飲むより食べて水分補給するのが効果的です。
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