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趣味のダイビングが、海洋環境を考えるきっかけに。



井植美奈子(以下、井植)
 希子さんは海がお好きなんですね。ダイビングや釣りを楽しんでいらっしゃる動画をYouTubeで拝見しました。スキューバダイビングはいつから始めたのですか?
 
水原希子(以下、水原) コロナ期間中に始めました。元々海が大好きで、夏が来るたびにシュノーケリングなどを楽しんでいたんですけど、ダイビングもやるようになったのは、ある映画の役づくりがきっかけで。いつクランクインしてもいいように、ダイビングの免許を取っておこうと思ったんです。結局、その映画はコロナの関係で流れてしまって残念だったんですけど、ダイビングをきっかけに、さらに深い海の魅力に取り憑かれてしまいました。

ダイビングを楽しむ水原さん。

ダイビングを楽しむ水原さん。


世界的なコロナの蔓延で、みんなすごく苦しい時期だったと思います。そんななか、美しい海に潜って、小さな魚が泳いでいる壮大な自然を目にして、本当にたくさんの癒しとインスピレーションをいただいたんです。いろんな人との出会いもあり、改めて環境について考えるようになりました。今、こんな素晴らしい体験ができているということ自体、何か意味があるのかなって。

井植 海はどのあたりに行っているんですか?

水原 国内外いろんなところに行きますね。立て続けに100本ぐらい潜りました。

井植 すごい!特に印象に残っている海はありますか?

西表島にて/水原さん撮影

西表島にて。/水原さん撮影


水原 西表島に、かつてパーフェクトワールドと呼ばれていたエリアがあるんですけど、今では珊瑚が死んで白化してしまっていて……悲しいけれど、それでもすごくキレイだったんです。もし生きていたらどんな光景が広がっていたんだろうって、考えずにはいられなかった。なぜ白化してしまったのだろう。観光客が増えすぎていたり、ケミカルな日焼け止めの影響とか、いろんな原因があると思う。 

井植 日焼け止めの影響は、ひとつありますね。使用禁止になっている国はたくさんあります。

水原 そうですよね。オーストラリアやハワイでは禁止されていて、でも日本はまだ禁止されてない。私は実際に失われている珊瑚を目にして、本当にイヤだと思って、珊瑚に優しい日焼け止めを使うようになりました。クレイみたいな質感で、白塗りみたいになっちゃうんですけど。

パラオの海。/井植さん撮影

パラオの海。/井植さん撮影


井植 私は海洋環境の国際NGOの仕事で、よく海外に出かけるんですが、幸いなことに海の近くで会議が開かれることが多いんです。それでパラオにもよく行っていて、いつもシュノーケリングをしています。パラオの海はダイビングをしなくても、シュノーケリングで十分キレイな海を堪能できるんです。珊瑚の森にナポレオンフィッシュや小さい魚がたくさん泳いでいます。話を伺っていて、希子さんが感じている思いは、まさにパラオの方たちと同じだなと思いました。パラオプレッジってご存じでしょうか?

水原 いいえ。何でしょう?

井植 パラオは小さな島々からなる国で、入国する時にプレッジを、つまり誓いを立てないと入国させてもらえないんです。その誓いというのが「海を守りましょう」なんですね。珊瑚の上を歩かないとか、禁止成分が入っている日焼け止めを使わないとか。


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