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少年時代に芽生えた時計への情熱



平岡さんは、幼い頃から機械いじりが好きで、10代の頃から時計にゾッコン。元々ファッションが好きだったこともあり、その延長で腕時計に触れていたそうだ。

学生時代、日本でブームになっていたモデルは「Gショック」や「スウォッチ」など。しかし、平岡さんを夢中にさせたのは、高校生のときにフリーマーケットで出合った機械式時計だった。

「代々木公園で開催されていたフリーマーケットで、たまたま『セイコー』のアンティーク時計が売られていて。そこで初めて機械式時計という存在を知ったんです。

アンティークならではの雰囲気もさることながら、緻密なゼンマイの仕組みを知れば知るほど奥深さを感じました」(平岡雅康さん、以下同)。



以来、時計熱は冷めやらず、22歳のときに国産時計メーカーに就職。その後、海外の時計も扱いたいとの想いから、都内の時計専門店を渡り歩き、最終的にスイス時計を扱う商社でバイヤーを務めるまでに。

20代はとにかくがむしゃらに働いていた、と平岡さん。大好きな時計の仕事に関われる喜びを感じながらも、「自分だったらどれだけ面白い時計が作れるだろう」という想いも頭をもたげていたという。

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