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いまこそ、反骨精神を発揮するとき

今回の復刊プロジェクトの発起人になったのは、シード期の起業家に投資を行うベンチャーキャピタル「ANOBAKA(アノバカ)」代表の長野泰和。

大学時代にあのバカを読み、スタートアップ業界を志し、新卒で真田が以前代表を務めていたモバイル・インターネット事業スタートアップKLabに入社した。

ANOBAKA代表の長野泰和

ANOBAKA代表の長野泰和


本の名前を自社名にまでしてしまった長野にとって、同書のなかで最も印象深かったのは「起業家たちのメンタリティ」だという。
 
「あのバカには、自身の事業で成功し、成り上がろうとする若者の反骨精神が描かれています。いまはSNSがあり、そこで自己表現することができます。しかし当時、自己表現や自尊心を高めようとすれば、事業で圧倒的な実績を出し、メディアや周囲から持ち上げられる必要がありました」
 
長野は、この反骨精神をいまこそ発揮するべき時であり、あのバカが令和の起業家に向けて発信するメッセージだと考えている。
 
なぜいまなのか?
 
日本は現在、歴史的な円安局面にあり、「安い国」として国力が低下していくのではないかという懸念もある。約30年にわたって賃金も物価も上がっていない。
 
「このまま行けば海外には遅れを取っていくことになります。戦後、復興というスローガンを掲げて起業家が生まれ、日本に成長がもたらされたように、再び日本を復活させるには成り上がりの精神を持った若い起業家が必要です」


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