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“好きなもの”を詰め込んだ、夢の城=ガレージ



「中学生の頃、実家の近くにヴィレッジバンガードができたんですよ。そこでアメリカンなネオンサインやポスターを初めて見て、“うわ、コレだ!”って。そこから一気にアメリカンカルチャーが好きなりましたね。そして、ハーレーにも乗りたいなと」



手前の青いハーレーはKさんの愛車、FLSTCヘリテイジ ソフテイル クラシック。随所にカスタムが施され、原型をとどめているのはホイールのみ。

「本当はホイールもいじろうとしていたんですけど、そのとき妻が一人目を妊娠して。それで乗る機会が減るなと思い、そのままに」

ご主人がそう言うのには、一つ理由が。というのも、後方に見える白いハーレーは奥さまのスポーツスターXL1200C。実はKさんご夫妻の出会いはバイクがきっかけで、お子さんが産まれるまではよく二人でツーリングを楽しんでいたそう。



「なかには中学生の頃に買ったものも」と見せてくれたのは、長年コレクションしているミニカーたち。あくまでも氷山の一角ですが、もちろんどれもがアメ車です。



一貫してアメリカ製にこだわるKさん。以前まではリプロダクトと呼ばれる、いわゆる復刻モノも収集していましたが、彼の“アメリカ好き”はより深化し、現在はリアルアメリカンなヴィンテージモノへと嗜好がシフト。右に見えるラックは、アメリカ発の剃刀製品ブランド「GILLETTE」のもの。

「おそらく、当時カミソリを販売するときに使っていたラックだと思うんですが、HOT WHEELSがピッタリ収まって」
 


ハーレー乗りが集まるバイカーズミーティングでキャンプしたのをきっかけに、ここ最近はアウトドアにも夢中に。自作したという棚には、コレクター垂涎のヴィンテージギアが陳列されています。

「クルマやバイクを見てもらったらわかると思うんですが、とにかく青が好きで。ランタンの他にも、クーラーやジャグも青色を。シェビーバンと同じく、使用するキャンプギアも70年代にこだわってます(笑)」

後からの “イジり” を可能にさせる、ひと工夫



今でも遊べるという91年製のGottliebのピンボールマシンは、ガレージ仲間から譲り受けたもの。コレクションするアイテムの中で特に思い入れがあるご様子。

「ガレージって、作業場とコレクションルームの2通りに分かれると思うんです。僕は、どちらかというと後者。もちろん、ここで愛車をイジったりもしますけど、僕にとってのガレージは好きなものを保管する場。なので、後からレイアウトを変えられるよう、コンセントや照明器具用の配線はあえて剥き出しにしています。露出配管なら施工後でもパイプを増やせば好きなところに電線を引っ張れ、自由度が高いんです」



天井には、ガルフオイルやケロッグ社などの店舗バナーをディスプレイ。ガレージの照明は雰囲気のある電球色と視認性のある昼光色を用途に使い分け、写真のものは「灯りが白くて作業しやすいんです」と、アメリカ本国では工場などで使用される一台を。照明一つとってもホンモノ志向が伺えます。アメリカンな雰囲気作りに欠かせないネオンや電飾看板、スポットライトなどは寛ぐ際の灯りにちょうど良いそう。

「最近はモノが増えてきてやや手狭に」と吐露するKさんですが、壁面を巧みに活用し、自慢の品を余すことなくディスプレイしています。



「壁に合板を使用するとき、普通なら12mmを使うんですよ。でも、うちは24mm合板。床などに使われる厚めの合板で、これなら壁にガンガン打ちつけても問題ないんです」

理想の家を手にするために、建築の知識を独学。建築誌も読み漁り、「こんな家を作りたい」と地元の工務店にサンプルとなるイメージを持ち込み、建材や設備なども細かくオーダーするというこだわりよう。


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