イベント要素を盛り込んだ
3代目から始めたのが、日替わり湯、物販など。「生活の一部」であった銭湯に、イベントの要素を盛り込んだのだ。
例えばユニークなのが、形が悪い等で商品にならない生産物を湯に入れる「もったいない風呂」。「みかん風呂」「酒かす風呂」などバラエティに富み、好評だったが、一方でコロナ禍、衛生面を心配する声が上がり、残念ながら現在は中断している。
物販に関しては、湯上がりの飲み物としてクラフトコーラやクラフトビール、クラフトジンなど、ちょっとこだわった商品も品揃えした。1本500円近くと、銭湯の料金とほぼ同じ価格の飲み物も売れる。
また、より「おもてなしの心」を感じさせるのが、アメニティの充実だ。シャンプー類だけでなく洗顔、クレンジング、化粧水、乳液を揃えた。これら、風呂エンタメ施設とも言えるスーパー銭湯なら完備されているが、銭湯では普通、リンスインシャンプーとボディソープがあるぐらい。
アメニティが充実しているのが特徴。壁面の銭湯絵は数少ない銭湯絵師の一人、中島盛夫氏によるもの。年に1度は描き替えが行われており、ときにはキャラクターや企業とのコラボレーションでポップな絵柄になることも(撮影:梅谷秀司)
フェイスタオル、バスタオルもそれぞれ50円、150円で貸し出している。現在は、今治と並ぶタオル産地、泉州のタオルを使用しているそう。小杉湯のスタッフが現地に足を運び、作り手と直に話してコラボ契約を結んできた。
こうした地道な取り組みにより、客が徐々に増えてきた。
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