この体躯で「2人乗り」というロマン
フロントとリアのロッキングディファレンシャルを選択可能。
他にも駆動方式は2WDか4WDを選ぶことができ、車高も任意に変えられるなど、オーナーの好みでカスタム可能なモンスターマシンというわけだ。
ボディサイズをはじめ詳細なスペックは不明だが、40インチもの大きな肉厚オフロードタイヤを四隅に配したフォルムを見ると、どう考えてもフルサイズピックアップトラックくらいか、それ以上の大きさはありそう。
そのくせ、前輪と後輪を逆方向に向けられる四輪操舵なので、見た目よりも小回りが効くらしい。
骨格はカーボンファイバーとアルミニウムで作られている。
この車を購入しても、乗車が許されるのはわずか2名。シートの後ろに先の心臓部が載るミッドシップだからだ。
心臓部の後ろに「カーゴエリア」があるらしいが、さて、どれだけの荷物を収納できるのやら……。
素のモデルのシフトレバーの先っぽはネジ山になったまま。恐らく、好きな形状を付けられるのだろう。
きっとこの車を購入する人は、本気でアウトドアスポーツを楽しむ、というつもりで手に入れようとは思わないだろう。
それよりも、キャンプへ出掛けて注目を集めたり、信号待ちで止まった際に、横のピックアップトラックのドライバーから「いいね!」とジェスチャーされるオリジナリティやロマンのために、150万ドル(約2億3000万円)を払ってこの車を手に入れるのかもしれない。
カリフォルニアで生まれ、メキシコのバハ・カリフォルニア半島を舞台とする、世界有数の過酷なオフロードレース「バハ1000」でも大活躍しそうなSV ROVERを、あえて街中で乗る。
そんな酔狂なオーナーがきっといるはずだ。何しろ、こんな怪物を本当に作るジョー・スカボが実在するのだから。