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「大都市でもあり、ひとつの“里”でもある渋谷を描いた」

――パタゴニアとの出会いについて聞かせてください。



もともと他のアーティストの作品をSNSなどでよく見ていました。それで、ジェフリー・ホルスタッド氏の作品を彼のインスタで見たときに、すごく自分のスタイルや色の使い方に似ていてとても素晴らしいと思ったんです。

彼のパーソナルなWEBサイトを見てみると、そこにメールアドレスの記載があったので、「キミの作品はすごくいいですね!」とメッセージを送りました。そうしたら、彼からも「君の作品もすごくいいよね」と返信があり、そこからオンライン上での交流が始まりました。



交流していくうちに、彼は自身のアート活動もしてはいるけれど、パタゴニアのフルタイムの社員でもあることが分かったんです。いきなりパタゴニアのアドレスからメールをもらったときは驚きましたけどね(笑)。

そして、彼から「パタゴニアで一緒に何かやってくれない?」と依頼されたんです。本当にたまたま。運命みたいな感じでしたね。

――そして昨年に、一部のアイテムのグラフィックを担当されたんですね。今回はライブペイントに出るために来日されました。


イベント自体はこれまでに3回ほどあります。そのうち2回はオーバーオールのデザインを担当しました。塗り絵みたいな方式をとり、訪れた家族や子供たちと一緒に作っていくというものです。

ただ、僕のアートはどこかの倉庫の壁などに描くことが多く、そこを通る人が見たり、話しかけてきたりもすることも多い。だから自ずとライブペイント的な設定で作ることになるんですよね。

個人的にそういったセッティングはとても好きです。行き交う人とコミュニケーションを取り、いろいろな話をしながらアートを作ることが好きなので、ライブペイントのような環境はワクワクしますね。

――今回の絵のテーマはなんでしょう?



渋谷という街をテーマにはしています。とてもモダンで大きい街ですよね。しかし、渋谷もまた日本の“里”だと思います。

“里”は、山や川など自然の恩恵を受けているからこそ成り立つというテーマを、僕だけでなくパタゴニア自体も考えていて、パタゴニアとのコミュニケーションの中で得た学びも含めて今回のビジュアルを考えました。




それもあって都会を描いてはいるのだけれど、ここに描かれている人たちは環境に配慮したような行動をとっていたり、パタゴニアの渋谷ストアの近くにある八百屋さんも描いています。

そこの八百屋さんは、地元の東京都で作った野菜だけしか並べていないなど意義のあるマインドを持っていますよね。渋谷って都会だけれど、日本のひとつの“里”と捉え、山や川をはじめとする自然とのつながりをこのキャンバスに込めています。


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