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すべての写真を見る オーシャンズがたびたび提案してきたカジュアル&リラックスをテーマとする「着流しスーツ」の装い。
その製作過程において、最も重要なのが、スーツを熟知するプロのスタイリストたちの存在だ。
彼らの経験と知識があるからこそ、いい感じに“着流せる”。我々は、どんなスーツをどう着ればいいのか、3人のエキスパートに話を聞いた。
自由度が高いからこそ自分なりの解釈を
スーツを熟知する3人のスタイリスト [左]与那嶺龍士さんカジュアルからドレスまであらゆる分野を網羅する人気スタイリスト。コーディネイトのモットーは「見た目と着心地の気持ち良さ」。
[中]四方章敬さん今最もスーツに精通するスタイリストのひとり。自身でも多くのスーツに袖を通してきた知見を通じて、「着流しスーツ」の見解を語る。
[右]武内雅英さん20年以上にわたり、本誌をはじめ数多くのメンズファッション誌で活躍。今回の企画ではドレス寄りのスーツをどう着流すか指南。
ーーまず認識しておきたいのは「着流しスーツ」とは何か? ということ。明確な定義がないからこそ、どう捉えるかで装いの方向性が変わってくるからだ。 四方 いわゆるドレスクロージングのスーツとは別物、と考えていいのかも。例えば「着流しスーツ」では、サイズアップというアプローチはアリですよね。でもドレスにおいてはジャストサイズが大前提。そうなるとまずはスーツ選びから違ってくるはずです。
武内 スーツ選びはまずふたつの方向に分かれると思います。「着流しに向くスーツを買う」のか、「今あるスーツを着流す」のか。
インナーにパーカまで合わせる可能性があると考えると、まずは前者で考えるのがいいでしょう。ジャストサイズのジャケットの下に、分厚いスウェットは着られないですから。
ドレッシーなチェックのスーツにカジュアルなパーカを合わせて。窮屈に見えないよう、パーカのサイズや生地の厚さにも気を配りたい。
与那嶺 このコーディネイトは少し大きめのスーツを選んだうえで、生地が厚すぎないパーカを合わせています。さらに中はシルエットも身体にあったジャスト、またはタイトなものがいい。そうでないとジャケットの中でだぶつくので。
武内 一方、ドレスのスーツを使って着流すのであれば、中は必然的に薄手のものになるはず。Tシャツ、カットソー、ハイゲージのニットというように。
ドレッシーなネイビースーツ×レタードTシャツという、ギャップを利かせた装い。ボリュームあるスニーカーには短めの裾丈が合う。
四方 Tシャツのコーディネイトもそうですけど、グラフィックが入ったインナーを持ってくるのがポイントだと思いました。簡単に着流し感が出ますね。
与那嶺 ネクタイ代わりにグラフィックでメリハリを利かせるイメージです。
無地のインナーを合わせるときは小物でポイントを作る、という手も効果的。
腕時計やウォレットチェーンといった小物でポイントを作る。シンプルな合わせ、ベーシックなカラーリングのときに有効なテクニックだ。
武内 薄手のシェルパーカ合わせなど、
スポーツミックスもアクティブ感が出るよね。
ウインドブレーカーやキャップでスポーツの要素を取り入れるのもいい。鮮やかなビタミンカラーが春らしい季節感を演出してくれる。
与那嶺 いい意味でゆるく考えて、パーソナリティを反映するのもいいかなと思うんです。サッカー好きならインナーにトラックジャケットを合わせたり、サーファーならボーダーTを挟んだり。
武内 正解がないのであれば、逆にネクタイを締めてもいいのかもしれません。サイズ感やアイテムの選び方次第で“着流し感のあるタイドアップ”も可能なはず。
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