OCEANS

SHARE

ドレス仕立てのスーツにも着流しの可能性は見いだせる

ここからは、3人のスタイリストがそれぞれの目線で選んだ“着流し向き”なスーツを披露! セレクトのキモと合わせのコツについて具体的に解説する。

まずは武内さん、よろしくお願いします!

「本格テーラードで選ぶなら、“ベルトレス”が使える!」。

「本格テーラードで選ぶなら、“ベルトレス”が使える!」。


武内 スーツを着流すのなら、ベルトはいらないと思います。

ーーベルトをしないほうがいい、という意味ですか?

一見ビジネス然としたスリーピースのスーツだが、ウール×リネンで着心地は軽快。生地に浮き出たネップも洒脱な雰囲気で、むしろ着流し向きのニュアンスを備えたスーツといえよう。ジャケット19万9100円、ベスト5万9400円、パンツ6万2700円/すべてカルーゾ × シップス(シップス 銀座店 03-3564-5547)

一見ビジネス然としたスリーピースのスーツだが、ウール×リネンで着心地は軽快。生地に浮き出たネップも洒脱な雰囲気で、むしろ着流し向きのニュアンスを備えたスーツといえよう。ジャケット19万9100円、ベスト5万9400円、パンツ6万2700円/すべてカルーゾ × シップス(シップス 銀座店 03-3564-5547)


武内 いえ、スーツ選びのポイントが“ベルトレスではけるパンツ”になる、ということです。ここにセレクトしたスーツはいずれもベルトレス仕様で、さらにドレスシャツとネクタイで装うことができるもの。

つまり、リアルなビジネスシーンでちゃんと使えるスーツです。それを着流したときにベルトやベルトループが見えると、何だか微妙な気がして。

ーーう〜ん、わかるような、わからないような……。

サイドベンツ、フラップポケット、幅広のラペル。パンツは2タック、ボタンフライという仕様。クラシックな作りだが、黒ゆえに汎用性が高い。打ち込みのしっかりした生地を採用するため、地厚なTシャツと相性が良さそう。ジャケット38万5000円、パンツ16万5000円/ともにカンタータ(クリシェ 03-6407-0300)

サイドベンツ、フラップポケット、幅広のラペル。パンツは2タック、ボタンフライという仕様。クラシックな作りだが、黒ゆえに汎用性が高い。打ち込みのしっかりした生地を採用するため、地厚なTシャツと相性が良さそう。ジャケット38万5000円、パンツ16万5000円/ともにカンタータ(クリシェ 03-6407-0300)


武内 例えばインナーに、Tシャツを裾出しで合わせたとき。手持ちのTシャツがすべてグッドバランスの着丈になるとは限りません。タックインして、ニュアンスをつけたくなるTシャツもあるはず。

そのときベルトが見えると若干堅くなるし、ベルトループだけが見えるのも格好悪いですし。

ーーなるほど。カットソーやハイゲージのニットを合わせるときも同様ですね。

春らしい、爽やかなブルーのコットンスーツ。仕様はドレッシーなダブルブレストだが、実はストレッチが利いているというコンフォートな一着。Tシャツ、ポロシャツ、薄手のニットなどを合わせて、上品かつスポーティに着流したい。ジャケット8万5800円、パンツ4万7300円/ともにポロ ラルフ ローレン(ラルフ ローレン 0120-3274-20)

春らしい、爽やかなブルーのコットンスーツ。仕様はドレッシーなダブルブレストだが、実はストレッチが利いているというコンフォートな一着。Tシャツ、ポロシャツ、薄手のニットなどを合わせて、上品かつスポーティに着流したい。ジャケット8万5800円、パンツ4万7300円/ともにポロ ラルフ ローレン(ラルフ ローレン 0120-3274-20)


武内 そうなんです。それに裾出しで着たとき、ベルトのシルエットが薄手のインナーの上に浮かぶのも、個人的にはイヤなんです。

ーー確かに!薄手のインナーを着る前提なら、今回のようなベルトレス、サイドアジャスターのパンツが使えるってことですね。

上品な光沢とタフな質感を併せ持つ生地は、ウール65%、リネン35%の混紡素材を使用する。ドレスとカジュアルの中間にあるような、独特のバランスが魅力の「着流しスーツ」だ。大人らしい、落ち着いたブラウンカラーも◎。ジャケット11万円、パンツ6万3800円/ともにユーゲン(イデアス 03-6869-4279)

上品な光沢とタフな質感を併せ持つ生地は、ウール65%、リネン35%の混紡素材を使用する。ドレスとカジュアルの中間にあるような、独特のバランスが魅力の「着流しスーツ」だ。大人らしい、落ち着いたブラウンカラーも◎。ジャケット11万円、パンツ6万3800円/ともにユーゲン(イデアス 03-6869-4279)


武内 “着流し”というと、副資材や裏地のないアンコン仕立てのスーツや、そもそもオーバーサイズの設定で作られているスーツに目が行きがち。

でも、こんなドレス仕立てのスーツにも着流しのポテンシャルを見いだすことができる。むしろ大人らしい、落ち着いた装いに仕上がると思います。


OCEANS5月号「青い服」から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック


品田健人=写真(静物) 加瀬友重=取材・文

SHARE

次の記事を読み込んでいます。