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言葉③何か物事を達成したければ絶対に諦めない



Q:ビジネスの世界でも、後輩や部下の指導法、育成で悩んでいる人は少なくありません。青木さんも後輩にアドバイスを送るケースは多いと思うのですが、特別に意識していることなどありますか?

基本的に、プロフェッショナルな人間に育てるには、やはり自覚を促すしかないと思っています。自分は何かを教えるっていう感覚はあまりなくて、とにかく導いてあげること。よく、インタビューとかで「青木さんが言えば、何でも聞いてくれるでしょ」と言われたりもしますが、全然です。本当に、聞かないケースが8割ですよ。指示待ち人間が本当に多いです。

これはもしかしたら日本の教育が問題なのかもしれないですが、ちょっと列からはみ出る人間がいると「入りなさい」って言ってくれる。自分で気づくんじゃなくて、そういう教え方が影響しているのかもしれないですね。



 Q:昔のような厳しい指導が通用しなくなっています。難しく感じることもありますか?

教えを、自分には合わないという判断で排除してるんだったら全然いいんですが、結局、本当の意味で変わろうとしてない人間、もしくはそれが響かない人間がほとんどなんです。

響く人間と響かない人間がいるのは当然で、それは責任を自分で取るしかないんですよ。プロの世界は、頑張って結果を残せば自分が理想としていた野球人生を送れるわけだし、何でもっと必死になれないんだろうと思ったりもしますね。

Q:それは才能や能力とは違う要素だと?

プロ野球に入ってくる人間は、レベルの差こそありますが、才能があるからドラフトにかかっているわけで、誰しもチャンスはあるはずなんですよ。でも例えば、高卒でドラフト1位で入ってきても、1軍に1回も上がれずに終わっていきましたっていう人だっていっぱいいる。それって、僕は壁にぶち当たったことがないからだと思うんですよね。多分、何でもやれてきてしまったから、壁の乗り越え方を知らないんですよね。



Q:いよいよ開幕も迫ってきました。21年目のシーズン、その先に青木さんが見据えるものを教えてください。

やれるところまではやりたいですね。自分もヤクルトという球団が好きなので、後輩たちが育つのも本当に嬉しいことですし、かと言って、自分もやっぱりプレーしたいっていう気持ちもありますから。

 Q:一歩を踏み出し続ける青木さんの姿をファンも望んでいます。

自分の子供たちにも、常に「諦めるな」って言っているんです。諦めなければ、何とかそこにたどり着けると思っていますし、諦めちゃうと、限界の先ぐらいで終わってしまう。何か物事を達成しようとするのであれば絶対に諦めない。それが全てだと思いますね。

Q:最後に、THE WORDWAYは言葉を大切にしているメディアです。青木さんが大事にしている言葉、支えにしてきた言葉があれば教えてください。

「人生はチャレンジの連続」という言葉ですね。この言葉をモットーにしていて、やっぱりチャレンジし続けること。

結局、その瞬間、瞬間の決断の連続じゃないですか。野球も毎日その決断の連続だし、選択肢があればそこで決断するわけですから。決断の連続とも言えるけど、チャレンジすることが好きなんでしょうね。飽きっぽいのかも知れないですが、やっぱり何か新しいものを見たいじゃないですか。



青木宣親(あおき・のりちか)1982年1月5日、宮崎県生まれ。早大を経て03年のドラフト4巡目でヤクルトに入団。05年にプロ野球2人目のシーズン200安打を達成し新人王を獲得。首位打者3度、最多安打2度、盗塁王1度。12年にMLBのブルワーズと契約。アストロズ時代の17年に日米通算2000安打を達成。18年にヤクルト復帰し、23年8月に日米通算2700安打(日本1926本、米国774本)を達成した。08年北京五輪、06、09、17年WBC日本代表。


Kondo Atsushi=写真
記事提供:THE WORDWAY

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