仕事の説明が曖昧だったのでは
このようにとても重要な報連相を、部下がきちんとしないのだとすれば、どのような可能性があるでしょうか。
考えられるのは、最初の権限移譲=仕事を任せる際の上司の説明が曖昧だということです。仕事を任せられた人が「これは報告しなければ」と思うことができるためには、「この仕事は何が目的だから、重要なポイントはここ」ということがわかっていなければなりません。
(極端な言い方ですが)「とりあえずこれをやっておいて」とだけ言われたなら、最重要ポイントを外していても、その他の言われたことを大体できていれば「うまくいってる」と思うはずです。
そうなると、報連相はなされないのも無理はありません。
「方法」だけではなく「目的」を伝える
この場合、上司は仕事を任せる際に「方法」だけではなく「目的」を説明しなければなりません。
ごく簡単な仕事で部下に創意工夫を求めないのであれば、「方法」だけ伝えておいても問題はないでしょう。しかし、多少なりとも仕事の進め方に部下自身が考える余地や必要があり、最初の時点で完璧な仕事の進め方が確定していないのであれば、上司が最初に考えている通りに部下が仕事をやるかどうかはわかりません。
この場合、もしも部下が仕事の「目的」をきちんと把握しているのであれば、例えば仕事を進めるのに重要なのが「スピード」なのか「コスト」なのか「クオリティ」なのかを判断することができ、その重要ポイントに問題が発生したり、疑問点が生じたりすれば、自然に上司に報連相をするのではないでしょうか。
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