「モヤモヤ り〜だぁ〜ず」とは…… 本日の相談者:食品メーカー・42歳「私の部下は、就職前からYouTubeやTikTokのショート動画が人気のインフルエンサーで、その影響力が考慮されて入社した経緯があります。
そのおかげで新商品がバズったり、PR動画が拡散されたりしたのですが、最近の投稿が企業秘密や倫理的な問題に触れるのではないかとヒヤヒヤしています。どう対処すれば良いでしょうか」。
アドバイスしてくれるのは…… そわっち(曽和利光さん)1971年生まれ。人材研究所代表取締役社長。リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスにて人事・採用部門の責任者を務めてきた、その道のプロフェッショナル。著書に『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(共著・星海社新書)ほか。
SNSを全面禁止することはできないが
日本国憲法には第21条に「表現の自由」がありますので、社員のSNSでの活動を理由なく制限や禁止することは憚られます。
使用禁止命令でなくとも、SNSのアカウントやIDを会社に届け出をさせるといった制度も、プライベートへの過干渉として社員との間で争いになる可能性があります。
一方で労働者には、労働契約に付随する義務として、使用者の名誉や信用を毀損して不当な損害を与えてはならない誠実義務や忠実義務というものがあります。しかも、これは勤務時間や職場の内外を問いません。
このことから、SNSの私的な投稿においても、会社に損害を与えること(投稿すること自体ではなく)を禁止して、違反した場合には懲戒等の処分を与えることは可能です。
2/4