被害の証拠がなければ泣き寝入り
彼女たちはそろって警察に行ったが、警察官はやる気なく、「証拠は? 証拠がなかったら何にもできないよ」と門前払いされた。そもそも、風俗で稼いだややダークな金だし、送金はレターパックだから証拠はなかった。
「知り合いの男性から『困ってるなら安く債権回収をしてあげる』って言われてお願いしたんですが、手付金の30万を持ち逃げされただけで終わりました。まさに泣きっ面に蜂ですね」。
彼女は2000万円を泣き寝入りすることになった。ただ彼女はまだ額としては低い方で、なんと2億円もつぎ込んだ女性もいた。
読んでいると、「馬鹿だなあ。こんなのに騙されて」と思ったかもしれない。だが、風俗嬢たちの多くは“海千山千”のなか働いてきた女性たちだ。そんな彼女たちをコロッと騙せるのはやはり“詐欺の才能のある人”なのだ。
いざターゲットにされてしまったら、逃れるのは難しい。「とにかく財布の紐は緩めない。どこにも投資しない」くらいの気持ちでいた方が良いだろう。
実はこの話には怖いオチがある。
彼女の知り合いで、億単位の損失を出した女性がいた。「自殺してしまうのではないか?」と心配したらしいが、そんな心配はいっさいいらなかった。なんと、その女性は自分もイケおじを見習って詐欺師になったのだ。
惚れさせた男性に親の退職金を全部つぎ込ませたり、店舗オーナーから億の金を注ぎ込ませたり、そしてかつての自分と同じ風俗嬢から金を送金させて、10億円以上の金を集めたという。
詐欺は連鎖する。今もどこかで誰かが騙されている。
あなたや身近な人がターゲットにならないためにも、投資話にはとにかく慎重に。
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