OCEANS

SHARE

  1. トップ
  2. からだ
  3. 1日5分でOKな「ぎっくり腰予防ストレッチ」を理学療法士が伝授。ツラい腰痛ともオサラバ!

2024.04.07

からだ

1日5分でOKな「ぎっくり腰予防ストレッチ」を理学療法士が伝授。ツラい腰痛ともオサラバ!



▶︎すべての写真を見る

ぎっくり腰を予防するには、腰の筋肉や体幹を整えることが大切だ。

ということで今回は、1日5分でぎっくり腰が予防できるストレッチ法について、東京神田整形外科クリニック院長の田邊雄先生と主任理学療法士の神林竹央先生に教えてもらった!
お話をうかがったのはこの人!
田邊 雄さん●東京神田整形外科クリニック院長。金沢医科大学医学部医学科卒。西新宿整形外科院長などを経て現職。YouTubeの登録者数は3万人超え(2024年3月現在)。著書に子どもの低身長に関する新刊『1万5000人のデータに基づいたすごい身長の伸ばし方』(KADOKAWA)などがある。

田邊 雄さん●東京神田整形外科クリニック院長。金沢医科大学医学部医学科卒。西新宿整形外科院長などを経て現職。YouTubeの登録者数は3万人超え(2024年3月現在)。著書に子どもの低身長に関する新刊『1万5000人のデータに基づいたすごい身長の伸ばし方』(KADOKAWA)などがある。


神林竹央さん●東京神田整形外科クリニック主任理学療法士。専門は、再生医療や膝関節など。総合病院や整形外科クリニックで約1万症例以上の治療を経験をもつほか、全国・世界に向けてYouTubeなどSNSで情報を発信している。

神林竹央さん●東京神田整形外科クリニック主任理学療法士。専門は、再生医療や膝関節など。総合病院や整形外科クリニックで約1万症例以上の治療の経験をもつほか、全国・世界に向けてYouTubeなどSNSで情報を発信している。

 再発予防には毎日のストレッチが大切

――ぎっくり腰に効くストレッチを教えてください!
advertisement

神林:今回ご紹介するストレッチは、「大臀筋ストレッチ」「肩甲骨ストレッチ」「キャット&ドッグ」の3つです。1回3〜5分程度でできる簡単なものなので、できるだけ毎日続けましょう。筋繊維は20秒以上で伸びはじめますから、ストレッチは1セット20秒を意識することがポイントです。
 
【大臀筋ストレッチ 20秒×3セット】
お尻の筋肉の1つであり大臀筋は、デスクワークなどで椅子に圧迫されると硬くなることがあります。大臀筋が硬くなると骨盤が後傾し、腰の痛みなどを起こす原因になるので、ストレッチでほぐします。


 
① 椅子に浅く腰掛け(股関節・膝関節は90度に保つ)、くるぶしを反対側の太ももに乗せます。固定している足は床にしっかりつけます。


 
② 背筋を伸ばして体を前方にゆっくり倒しながら、足に近づけます。このとき、呼吸しながらイタ気持ちいい程度まで上半身を倒します。3セット実施後、太ももの裏~お尻が引っ張られているか確認しましょう。
 

【肩甲骨ストレッチ 20秒×3セット】
肩甲骨ストレッチは、肩甲骨、胸椎、骨盤の動きがよくなるだけでなく、お尻の筋肉をほぐし、腰痛予防や姿勢改善の効果が期待できます。
 


①  肩甲骨の真下に両手、骨盤の下に膝がくるように四つ這いになります。



② 踵とお尻をつけるようにして、背中(背中はやや反る)と肩甲骨を、呼吸しながらイタ気持ちいい程度まで伸ばします。これを3セット繰り返し、肩甲骨~背中が引っ張られているか確認します。
 

【キャット&ドッグ 1セット×5回】

キャット&ドッグは、肩甲骨、胸椎、骨盤の動きがよくなり、腰痛予防や姿勢改善の効果が期待できるストレッチです。



①  肩甲骨の真下に両手、骨盤の下に膝がくるように四つ這いになります。

②  目線をお腹に向けながら骨盤を後倒し、猫のように体を丸めます(キャット)。


 
③ 次に目線を上げて、骨盤を前倒しにして体を反らし(ドッグ)、呼吸をしながらイタ気持ちいい程度までストレッチ。1セット5回繰り返します。
2/2

体幹トレーニング&食生活の見直しで効果UP!


 
――そのほかにも、何か効果的な運動があれば教えてください。

神林:体幹トレーニングやラジオ体操、ウォーキングも有効です。体幹トレーニングはインナーマッスルを鍛える運動のことで、正しい姿勢が保ちやすくなり、腰の負担を軽減させる効果が期待できます。体幹トレーニングは、腰に負担のかけないドローイン呼吸法やブリッジがおすすめです。
 
【ドローイン 10秒×10回が目安】
①  仰向けに寝て、膝は60〜90度くらいに曲げます。
②  体全体の力を抜いて息を吐きながら、お臍を引く感じで腹部に力を入れお腹を凹ませます。
③ 息を吐き切ったあとは、お腹に力を入れた状態を10秒キープしながら、浅い呼吸をくり返し元に戻します。この時、胸椎を伸ばさないように注意。
 
【ブリッジ 20秒×10回が目安】
① 仰向けに寝て、膝は60〜90度くらいに曲げる。両手の手のひらを上に向けて腕を体の脇に固定します。
② お腹とお尻(お尻の穴をしめるイメージ)に力を入れます。
③ 背中は床につけたまま、お尻と大腿部がまっすぐになるようにお尻だけをあげる。このとき、呼吸をしたまま10秒ほどキープします。
 
――ぎっくり腰になってしまった場合、ストレッチはいつから始めるといいんですか?

田邊:発症後2、3日くらいは、無理にストレッチをしないほうがいいですね。痛みがある程度おさまってくる4日以降に、大臀筋ストレッチからはじめて、5日以降くらいからご紹介した3つのストレッチをするといいでしょう。
 
神林:できればぎっくり腰の痛みがおさまった後も、毎日続けることが大事です。ストレッチは時間がある時に実践するのもいいのですが、筋肉が硬くなっている朝がおすすめです。
 
――食生活で気を付けることはありますか?


advertisement

神林:食生活では、筋肉や骨を強くするカルシウムやビタミンD、マグネシウムが多く含まれる食材がおすすめです。カルシウムは、牛乳やヨーグルト、チーズ。ビタミンDは、鮭やサンマ、アジなどの魚類に、マグネシウムは、アオサやワカメなどに含まれています。

反対に、ファストフードやお菓子などのジャンクフードは脂質が多く含まれているので、肥満やメタボの原因になり、腰に負担をかけるので避けましょう。
 
――腰痛が何か深刻な病気の前兆だったりはしないんですか?

田邊:時間経過によっても痛みがとれない場合、椎間板ヘルニアや骨粗鬆症ということもあります。そのほか、消化器系や泌尿器系、循環器系など内臓疾患、もしくは膵臓がんが隠れている可能性もあります。こうした病気の痛みや痺れは1週間ではおさまらないので、MRIなどの精密検査が必要です。

重篤な病気が隠れていることもあるので、ただの腰痛などと軽視せずに痛みが続く場合は、医療機関を早めに受診しましょう。

 ◇

ぎっくり腰はいつどこで発症するかわからないもの。何度も発症しないように、ストレッチ&食生活の見直しなど、体のメンテナンスで予防しよう。

アントレース、酒井範子=取材・文

SHARE