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体幹トレーニング&食生活の見直しで効果UP!


 
――そのほかにも、何か効果的な運動があれば教えてください。

神林:体幹トレーニングやラジオ体操、ウォーキングも有効です。体幹トレーニングはインナーマッスルを鍛える運動のことで、正しい姿勢が保ちやすくなり、腰の負担を軽減させる効果が期待できます。体幹トレーニングは、腰に負担のかけないドローイン呼吸法やブリッジがおすすめです。
 
【ドローイン 10秒×10回が目安】
①  仰向けに寝て、膝は60〜90度くらいに曲げます。
②  体全体の力を抜いて息を吐きながら、お臍を引く感じで腹部に力を入れお腹を凹ませます。
③ 息を吐き切ったあとは、お腹に力を入れた状態を10秒キープしながら、浅い呼吸をくり返し元に戻します。この時、胸椎を伸ばさないように注意。
 
【ブリッジ 20秒×10回が目安】
① 仰向けに寝て、膝は60〜90度くらいに曲げる。両手の手のひらを上に向けて腕を体の脇に固定します。
② お腹とお尻(お尻の穴をしめるイメージ)に力を入れます。
③ 背中は床につけたまま、お尻と大腿部がまっすぐになるようにお尻だけをあげる。このとき、呼吸をしたまま10秒ほどキープします。
 
――ぎっくり腰になってしまった場合、ストレッチはいつから始めるといいんですか?

田邊:発症後2、3日くらいは、無理にストレッチをしないほうがいいですね。痛みがある程度おさまってくる4日以降に、大臀筋ストレッチからはじめて、5日以降くらいからご紹介した3つのストレッチをするといいでしょう。
 
神林:できればぎっくり腰の痛みがおさまった後も、毎日続けることが大事です。ストレッチは時間がある時に実践するのもいいのですが、筋肉が硬くなっている朝がおすすめです。
 
――食生活で気を付けることはありますか?



神林:食生活では、筋肉や骨を強くするカルシウムやビタミンD、マグネシウムが多く含まれる食材がおすすめです。カルシウムは、牛乳やヨーグルト、チーズ。ビタミンDは、鮭やサンマ、アジなどの魚類に、マグネシウムは、アオサやワカメなどに含まれています。

反対に、ファストフードやお菓子などのジャンクフードは脂質が多く含まれているので、肥満やメタボの原因になり、腰に負担をかけるので避けましょう。
 
――腰痛が何か深刻な病気の前兆だったりはしないんですか?

田邊:時間経過によっても痛みがとれない場合、椎間板ヘルニアや骨粗鬆症ということもあります。そのほか、消化器系や泌尿器系、循環器系など内臓疾患、もしくは膵臓がんが隠れている可能性もあります。こうした病気の痛みや痺れは1週間ではおさまらないので、MRIなどの精密検査が必要です。

重篤な病気が隠れていることもあるので、ただの腰痛などと軽視せずに痛みが続く場合は、医療機関を早めに受診しましょう。

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ぎっくり腰はいつどこで発症するかわからないもの。何度も発症しないように、ストレッチ&食生活の見直しなど、体のメンテナンスで予防しよう。

アントレース、酒井範子=取材・文

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