眼科専門医 平松 類先生●二本松眼科病院副院長。登録者22万人以上のYoutubeチャンネル「眼科医平松類」にて目にまつわる情報を発信中。眼科専門医として唯一のYahoo! ニュースコメンテーターも務める。著書累計100万部以上。
「STAY YOUNG総合研究所」とは…… パソコンやスマホを見る時間が長くなればなるほど、目の負担も大きくなるわけで。実際、目の不調を感じているオーシャンズ世代は多い。
そこで気になるのが、目にいいコト、悪いコト。はたして自分の常識は正しいのか? YouTuberとしても活躍中のスーパー眼科専門医に、医師がやらない10のコトを聞いてみた。
眼科医はやらない、目にまつわる10のコト
[① 水分を急激に摂らない]40歳以上の人が気をつけなければならない目の病気のひとつに緑内障があります。これは視神経が損傷することで視野が狭くなったり、部分的に見えなくなったりする厄介な病気。
この病気には眼圧(眼球内の圧力)が関わっていますが、注意したいのが水分のガブ飲み。特に運動中でもないのに500mlくらいの水分を一気に飲むと、眼圧が高くなることで眼球が硬くなってしまい、緑内障にかかりやすくなります。
水分補給は大切ですが、こまめに少しずつ飲みましょう。
[② うつぶせで寝ない]前述したように緑内障を予防するには、眼圧が高くなりすぎることを防ぐことが大切です。そのためには就寝時の姿勢にも注意してください。
良くないのはうつぶせ寝。両方の目が下方向に位置するため、圧力がかかってしまうからです。また、横向きの側臥位も顔が側面を向くことで、どちらかの目が下となり圧力が……やめたほうがいいでしょう。
[③ 裸眼で頑張らない]本を読むときやスマホを見るときなどに、わざわざ眼鏡を外す人がいます。どうやら、「裸眼のほうが目にいい」と思っているのかもしれませんが、残念ながら効果はありません。
むしろ、目に負担がかかるため、眼精疲労が起きやすくなります。同じ理由で、老眼鏡も早めに使い始めたほうが目にかかる負担を減らすことができます。頑張る必要はないのです。
[④ 目を乾燥させない]まばたきを10秒間我慢できなければ、ドライアイの可能性があります。ドライアイとは目の表面を潤す力が低下した状態のことで、目のかすみや疲れ、痛み、目やに、頭痛、肩こりなどさまざまな症状を引き起こし、重症化すると角膜や結膜を損傷する可能性も。
パソコン作業中は意識的にまばたきをする、1時間に10秒以上遠くを見るなどして目を休め、乾燥を防ぎましょう。また、加湿器を使って室内の湿度を上げるのも効果的です。試してみてください。
[⑤ 目をこすらない]目を開けた際、まぶたが正常な位置より下がっている状態を眼瞼下垂(がんけんかすい)といいます。眠そうな目は老けた印象に見えますし、視野自体も狭くなってしまいます。
この症状を防ぐには、目をこすらないことが大切なのです。目をゴシゴシこすると、まぶたの筋肉を持ち上げる眼瞼挙筋(がんけんきょきん)にダメージが加わり、眼瞼下垂を引き起こすおそれがあるから。
また、加齢やコンタクトレンズの長期使用も眼瞼下垂の原因になります。
2/2