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名店① 官僚も3度“スープ切れ”を経験「白河手打中華 かしま」



最初に紹介するのは「白河手打中華 かしま」。

店主は、「白河ラーメン」を提供する名店の中でも、特にマニアからの絶大な支持を獲得するレジェンド「手打中華 やたべ」にて研鑽を重ね、2020年2月、満を持して独立開業。開業後も食べ手からの支持を着実に伸ばし、老舗が多い白河の地においては比較的新参でありながら、JR白河駅近傍の店舗の中では抜きん出た人気を獲得するに至った。

2024年2月現在、同店の公式営業時間は11時から14時、17時から20時までとされているが、少なくとも休日は、同店の1杯を求める客が県内外から大挙して押し寄せ、13時前後にはほぼ確実にスープ切れ終了となってしまう。何を隠そう! 私が、これまでに3度も「スープ切れ」の憂き目に遭った積年の宿題店が、この「かしま」なのだ。


 
現在、「かしま」が提供する麺メニューは、「手打中華」「ワンタン麺」「チャーシュー麺」「チャーシューワンタン麺」及び「魚介つけ麺」。

「白河ラーメン」の作り手は概して、師匠から、高度な製麺技術を受け継いでいるため、麺を製麺所から卸さず自分で作る。麺の一種であるワンタンづくりもお手のものだ。このため、おすすめ商品は「ワンタン麺」となるが、今回、私は敢えて基本メニューである「手打中華」を注文。



味は、もちろん、食べ手の期待を裏切らないもの。鶏ガラ、豚ガラ等の動物系素材を丁寧に炊き上げた琥珀色の清湯スープは、注ぎ込まれた鶏油のクオリティの高さも相まって、鋭いキレと深いコクを兼ね備えることに成功。

ハイレベルな1杯を提供する、やたべ系の店舗の中でも、出汁とカエシのバランスが特に良好で、どれだけ飲んでも飲み飽きることがない点も、特筆に値する。

希望すれば肉付きの鶏ガラがラーメンの前にお通し的に食べられる。

希望すれば肉付きの鶏ガラがラーメンの前にいただける。


プルンと官能的なすすり心地を誇る自家製麺も、大盛にしなかったことを思わず後悔するほど、素晴らしい出来映えだ。もちろん、スープとの相性も申し分なし。今最も勢いがある店舗にふさわしい、堂々たる風格を持ち合わせていた。

本家である「手打中華 やたべ」は、駅から遠く離れた「白河関跡」の近傍に佇み、徒歩で気軽にアクセスすることは難しい。駅から徒歩圏内の「かしま」で、それに比肩する名品が堪能できるとなれば、足を運ばない手はないだろう。
白河手打中華 かしま
住所:福島県白河市桜町139
営業:11:00〜14:30/17:00〜20:00 木金曜定休
instagram:@kashima.shirakawateuchi


3/5

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