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これは現代病のひとつということができ、関連するニュースをよく目や耳にしますし、実際に私のところにも多くの相談が寄せられています。

リベンジ夜更かしは、日中に自由な時間を得られなかった人が、夜更かしをして自由な時間を獲得する行為のことで、「○○したかったのにできなかった」という思いから生まれる欲求不満やストレスを、寝る前に(おもに布団にもぐってから)解消させようとすることを意味します。

日中は勉強や仕事が忙しくて自分の時間を作れなかったという人たちが、帰宅して家事、食事、入浴といった〝なすべきこと〞をひととおりこなし、ひとりになれたタイミングで、SNSやネットニュースのチェック、動画の視聴、ネットショッピング、読書、音楽鑑賞などに興じるわけです。

その瞬間、おそらく心は満たされることでしょう。しかし、一日(点)ではなく、日常生活という長いスパン(線)で考えると、リベンジ夜更かしは歓迎できる行為とはいえません。翌日以降に、大きな代償を払う必要が出てくるからです。

結果的に、学生は成績の低下、不登校、留年などを、社会人は遅刻や欠勤が増えるといった状況をまねき、今や社会問題のひとつになりつつあります。

プラス思考であっても結果はマイナス

ポーランド国内の大学生や一般人766名を対象としたオンライン調査によると、男性よりも女性、高齢者よりも若者、働いていない人よりも働いている人、非学生よりも学生が、夜更かしをしがちだそうです。

リベンジ夜更かしをしてしまうと、翌日のパフォーマンスの質は一気に落ちます。そうなると再び「日中にやりたいことができなかった」となり、またしても夜更かしをしてしまうという、負のスパイラルに陥りやすくなります。

最悪の場合、うつ病になってしまうことさえありますし、睡眠不足が高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、がんなど、ありとあらゆる病気のリスクを高めることもわかっています。

リベンジとは、相手から傷つけられたり不当な扱いを受けたりしたことに対し、仕返しをする行為を意味しますが、日本ではスポーツの試合で負けた相手に次の試合で勝利を収めることや、失敗したことやうまくいかなかったことに再挑戦して成功することなど、前向きな意味合いで使用されるケースも目立ちます。


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