連載「男に刺さるソウルフード」とは…… 韓国を代表するグルメのひとつ、冷麺。暑い時季に恋しくなる一杯だが、本来は冬に食べるものらしい。
日本では盛岡冷麺が有名だが、韓国にはいくつか種類がある。元ビームススタッフで韓国在住の隅谷さんに絶品の冷麺店を教えてもらおう。
【写真10点】「実は冬に食べるものだった韓国冷麺! 」の詳細写真をチェック 案内人はこの方! 隅谷洋平●1978年生まれ。’98年にビームス ジャパンのオープニングスタッフとして入社し、新宿のビームスジャパン、丸の内店、銀座店を経て、’17年に韓国のソウルへ移住。現在はセレクトショップ「バーバーショップ(BARBERSHOP)」のスタッフとして活躍。休みの日も古着店を巡るほどの服好き。韓国グルメにハマり、移住してから体重は10kg増。韓国人より辛いものを食べる。
こんにちは隅谷です。今回は韓国料理の定番、冷麺を紹介をしたいと思います。
冷たい冷麺は夏の食べ物というイメージがあるかもしれませんが、ルーツである北朝鮮では冬に食べるものとして親しまれてきました。食料が安定して得られない冬に、蕎麦粉やじゃがいもを利用して生み出されたと言われています。
韓国に伝わったのは、朝鮮戦争以降。北の難民が南に移動し各地で故郷の味を食べ始めたから……という歴史があります。
冷麺は本来、暖かいオンドル(床暖房)のある部屋で食べる料理だったのです。しかし、韓国に渡ってからは夏に食べる人が増えて“夏の食べ物”というイメージが定着しました。なんと言っても韓国は暑いので。
ところで、冷麺と言ってもいくつか種類があるのはご存知でしょうか? 大きく分けると、平壌冷麺と咸興冷麺の2種で、どちらも北朝鮮発祥です。違いは麺の素材やスープの有無ですね。
「平壌冷麺」は「水冷麺(ムルネンミョン)」とも呼ばれ、冷たいスープに浸ったタイプ。日本蕎麦のように麺が噛み切れるのも特徴です。
「咸興冷麺」は赤いソースを混ぜて食べるので「混ぜそば(ビビンネンミョン)」と呼ばれ、基本汁なしです。日本で馴染みのある冷麺のように麺のコシが強く、ハサミで切り分けて食べます。
今回はそんな麺に弾力のある「咸興冷麺」の名店、「サンカチ冷麺(산까치냉면)」を紹介します。
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