若い人もEDを発症する理由
――改めて、EDとはどんなものでしょう? 性行為をするうえで十分な勃起を得られない、勃起状態を維持できない状態を意味します。具体的には、勃起はするけれど硬度が不十分で挿入できない、あるいは性行為の途中で中折れしてしまう、といった状態のことです。
一般的に高齢になるにつれ、EDの罹患率は高くなりますが、20代、30代といった比較的若い男性でもEDを発症する場合があり、これを若年性勃起不全と呼んでいます。
――20〜30代がEDになる原因は? 若い世代のEDにおいては、性行為に関わるストレスやプレッシャーが背景にあることが多いです。これを心因性EDといいます。
そもそも勃起とは、性的興奮により陰茎の動脈の平滑筋が弛緩することで、血管が拡張し、海綿体に血液が流入した状態。しかし、加齢に伴い、血管の老化が進むことで十分な動脈の拡張が得られなくなります。
勃起に際して、性的刺激による興奮は骨盤神経という副交感神経を介して陰茎に伝わりますが、精神的なストレスやプレッシャーにより自律神経が乱れると、性的興奮が陰茎に伝わらずEDを発症してしまうのです。
――どういったことがプレッシャーになりますか? 多いのは、過去に性行為が上手くいかなかった経験がトラウマになっているケース。「また失敗するかも……」といった不安が、さらにストレスとなり、EDを悪化させてしまうのです。
また妊活のために排卵日に合わせた性行為が、焦りや緊張につながり、心因性EDを発症する例もあります。
――心因性以外にも原因はありますか? 自慰行為の際に、ハードコアのポルノを見たり、性器に強い刺激を加えたりしていると、通常の性行為では興奮できなくなり、EDに発展することがあります。
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