▶︎すべての写真を見る 寿司、煮付け、干物。日本では日常的に魚を食べる習慣があるが、その多くは、日本近海で獲られた国産だろうか? 答えはNO。日本の食卓に並ぶ魚の約50%は輸入に頼っている。
いきなりショッキングな事実を知ったところで、セイラーズフォーザシー日本支局の理事長を務める井植美奈子さんに話を聞こう。
井植美奈子さん●ディビッド・ロックフェラーJr.が米国で設立した海洋環境保護NGO[Sailors for the Sea]のアフィリエイトとして独立した日本法人「一般社団法人セイラーズフォーザシー日本支局」を設立。水産資源の持続可能な消費をめざす「ブルーシーフードガイド」、マリンスポーツの環境基準「クリーンレガッタ」等のプログラムの開発と運営を手掛ける。京都大学博士(地球環境学)・東京大学大気海洋研究所 特任研究員。OCEANS SDGsコンテンツアドバイザー。
日本の食卓に並ぶ魚の半分以上は外国産である事実
水産資源が豊富であるはずの日本において、みんなが食べる魚介の約50%が輸入に頼っているというのはどういうことか。
井植さんはその原因のひとつに、近海の環境の変化と漁業スタイルなどに原因があると指摘する。
「日本の大半の漁師は近場で漁を行う沿岸漁業者です。長年の乱獲や、気候変動による海水温の上昇などで、磯焼けや環境の変化が起こり、魚が住めなくなり、漁獲量が減るという事態に直面しています」。(井植さん。以下すべて)
海洋保全という視点から考えると、管理漁業下に置く魚種の数、輸入されてくる魚介が獲られた人的・水産的環境についてもチェックすることが必要だ。
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