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今、食べている魚は本当に食べて大丈夫?

©Monterey Bay Aquarium

©Monterey Bay Aquarium


国連の採択は日本にも影響を与えそうだが、90年代当時の日本で危機意識はシェアされた気配はなく、ごく一部の専門家が提起しても大きなうねりを生むこともなかった。

ここに日本のもうひとつの問題点も含まれている。

国際的なスタンダードを推進しようとする意識が薄弱なことだ。それは政治やメディアが、国民・消費者との情報共有にあまり積極的でなく、SNSのような伝播もなかったことから人々が手にした情報も少なく世論も醸成されなかったのだろう。



「ヨーロッパでは、以前から環境教育も熱心でした。そのため、人々のマインドもしっかりと育まれていたことが、20年という差を生んでしまったかもしれません。さらに、環境問題に限らず市民が声を上げ、行動を起こして意思表示していく文化的土壌も彼らには育っていると感じますね」。



世界が管理漁業に向かう以前は、獲りたいだけ自由に獲るといった制度の未整備はもちろん、テクノロジーの発達と船舶の大型化により効率化が進み、たくさん獲れるようになってしまったことも乱獲を促進したという。

その後1997年に、MSC(海洋管理協議会)が設立され、認証制度とMSC「海のエコラベル」を策定。

アメリカやヨーロッパでは、環境に配慮し水産資源を管理し、持続可能なMSC認証漁業による天然の水産物であるという証明がされた魚が流通し始めた。

MSC「海のエコラベル」は、水産資源と環境に配慮し適切に管理された、持続可能な漁業で獲られた天然の水産物であることを示す。このラベルの付いた水産品は、日本を含む世界66カ国で販売されている。

MSC「海のエコラベル」は、水産資源と環境に配慮し適切に管理された、持続可能な漁業で獲られた天然の水産物であることを示す。このラベルの付いた水産品は現在、日本を含む世界66カ国で販売されている。


「2000年初めには、カリフォルニア州にあるモントレーベイ水族館が水産資源の状況をラベリングした”シーフードウォッチ”という評価プログラムを発表しています。評価した魚種を信号機の3色で色分けしており、グリーンはたくさん食べてOK。

イエローラベルは注意して見守りながら食べる必要があるもの、そしてレッドラベルは食べてはいけないというもの。これにより消費者側も、水産資源の状況を考えながら食べることができるわけです。漁業者に限らずみんなで海を守ろうという意識があるんだと思います」。

モントレーベイ水族館による“シーフードウォッチ” https://www.seafoodwatch.org/recommendations/download-consumer-guides

モントレーベイ水族館による“シーフードウォッチ”。左からグリーンラベル、イエローラベル、レッドラベルだ。



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