名店① 常時行列! 通し営業がうれしい「ラーメンたいち」
最初に紹介するのは、「ラーメンたいち」。
店主は、小千谷市にある長岡生姜醤油の名店「らーめんヒグマ」にて研鑽を重ね、2009年8月に独立開業。食べ手からの支持を着実に伸ばし、2016年10月、満を持して、店舗を木目の質感を活かしたスタイリッシュな大箱へとリニューアル。ラーメン激戦区・長岡のラーメン店の中でも、ひときわ高い人気を誇る実力店へと成長を遂げた。
営業時間は、長岡のラーメン店の中では珍しい、11時から20時までの通し(材料なくなり次第終了)。他店舗がラーメンを提供しないアイドルタイムでの訪問が可能であり、特に、ラーメン食べ歩きで連食を試みる方にとっては、非常に頼もしい存在だ。
現在、「たいち」が提供する麺メニューは、「正油ラーメン」「正油チャーシュー」「塩ラーメン」「塩チャーシュー」の4種類。(「塩ラーメン」及び「塩チャーシュー麺」については、2024年1月をもって提供終了予定)。
おすすめはもちろん、「長岡生姜醤油」の醍醐味が堪能できる「正油ラーメン」。並盛でも、一般的なラーメンの大盛に相当する175gの麺量があるが、それでも物足りない方は、大盛(麺量250g)、特盛(同350g)か、「正油チャーシュー」を頼めば良いだろう。
味は、もちろん食べ手の期待を裏切らないもの。豚ゲンコツ、香味野菜等を丁寧に炊き上げ、絶妙なバランス感覚で、甘辛い醤油ダレを合わせた濃褐色のスープは、すすり上げるたびに、生姜の清冽な香気が鼻腔を優しく潤す珠玉の味わいである。
トッピングのチャーシューも、肉肉しさ満点。食べ進めるにつれて、豚肉の旨味がスープへと溶け出し、風味の分厚さが右肩上がりに増幅。しょっぱさを適度な塩梅へと抑えながらも、豚・野菜・生姜の食材としての魅力を余すところなく引き出すことで、箸を持つ手を止めさせない牽引力を持たせることに成功している。
名店② “非”ご当地メニューで勝負する「麺や 真登 -MASATO-」
続いて紹介するのは、2011年3月に開業し、2014年7月付で現在の場所へと移転オープンを果たした「麺や 真登 -MASATO-」。
「真登」は、「長岡生姜醬油」でない“非”ご当地ラーメンを提供する、長岡屈指の実力店。私が店内に滞在した10数分の間にも、お客さんが続々と来訪していた。顔ぶれを拝見すると、ファミリー、カップル、男性のグループなど、客層も多種多様である。
私の隣に座っていた女性ひとり客は、黙々と「濃厚担々麺」をすすっていらっしゃった。同店が老若男女から等しく愛されていることを示す証左だろう。
現在、同店が提供する麺メニューは、淡麗スープに細麺を合わせた「薫る塩」「鶏だし醤油」、濃厚スープに太麺を合わせた「濃厚つけめん」「濃厚醤油」「濃厚担々麺」など、多種多様。
いずれの品も固定ファンが付くほどハイレベルだが、初めて訪問されるのであれば、券売機筆頭メニューに君臨する「薫る塩」がおすすめだ。
透明感のある黄金色のスープは、鶏と魚を丁寧に弱火で炊いた淡麗出汁に、ホタテ、海老などの海産物の滋味を、バランスを崩さないよう細心の注意を払いながら重ね合わせたもの。
すすると海老の華やかな香気が鼻腔内に滞留し、口内に拡がるうま味を力強くサポート。味覚と嗅覚の両方で楽しめる、実力店の1杯に相応しい仕上がりとなっている。
舌触り滑らかで、すすり心地良好な細ストレート麺も好印象。麺量が多めで、麺をすする喜びを満喫できる点も特筆に値する。
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