「オマーサ」のオットマン。1927年に、ロンドンの老舗デパートで販売を開始して以降多くの人々から愛されるオットマン。最初に作られたのが豚をモチーフにしたものとされ、こちらは1950〜60年代のもの。
「Feel So Goodなモノ語り」とは……▶︎すべての写真を見る | アーティスト HAROSHIさん 1978年、東京都生まれ。使い古されたスケートデッキによるアート作品で世界から注目を集め、ストリートブランドとのコラボや代表作のGUZOも話題に。現在も個展やアート展への出品など精力的に活動中。haroshi |
| エディター 阿部勇紀さん 1982年生まれ。ミュージシャンとして活躍し、2018年に「ハイプビースト・ジャパン」に参加。国内外のモード、ストリートファッションのシーンに精通し、多くのデザイナーをはじめ著名人ともパイプを持つ。yvkiabe |
阿部 HAROSHIさんのアトリエは不思議な物で溢れていますね。真っ先に目に入るこの豚は何ですか?
HAROSHI オマーサのオットマンで、耳も尻尾もちぎれかかってますがずっと使ってます。ヴィンテージ感も相まって可愛いですよね。
阿部 確かに豚の背に足の跡がうっすらと(笑)。
「ア ラブ ムーブメント」のパーカ。デザイナー、大久保鉄三氏がヴィンテージのカシミヤ服を分解し縫製した一点もの。HAROSHI氏の代表作でも知られるGUZOがモチーフのワッペンは大久保氏と共作。
HAROSHI テツさん(ア ラブ ムーブメントデザイナーの大久保鉄三氏)の家で見たのが最初ですね。結構昔から作られていて、それこそ1930年代とか40年代……古いものは20年代のものもあるのかな。 そのテツさんからよくパーカをいただいて、これまた快適。
阿部 ワッペンが面白い!
HAROSHI 彼がやっていることは出会った当時とまったく変わっていなくて、それってすごいと思うんです。気付いたら、ダミアン・ハーストともブランドを作っていますし。
阿部 その継続力には感服ですよね。こちらは手ぬぐいですか?
手ぬぐい文化への敬意も込め自ら100枚を製作。古いバンダナ同様染め抜きの手法を採用し、アート製作時に活用。先端に描かれたPMAのロゴはあのエリック・ヘイズ作。
HAROSHI スイサイダル・テンデンシーズの大ファンで、彼らのバンダナデザインを踏襲した手ぬぐいを作りたかったんです。ボーカルの兄のジム・ミューアと親交があり、許可をもらえました。
阿部 スゴイ! その一方で、この丸い石はなんですか? 部屋のど真ん中に鎮座していますが。
山梨県のとある町では、丸石を“自然界には見られない神がかった石=丸石神”として崇める風習があるという。そのストーリーに感化され手にしたこちらは、今やアトリエの神棚的存在。
HAROSHI 僕、丸いものフェチで、かつ石歴30年なんです(笑)。山梨県には丸石を神として祀る風習があるらしく、丸い石を譲るという方がいらっしゃったので頂戴しました。
丸いものという脈絡でいくと、このスピーカーも出たときから格好いいなと思っていました。サカイの青山店で音を聴いたらすごく良かった。
「シング」のスピーカー。オブジェのような独特な形状もさることながら、同じ空間に3個以上配置すると自動的に美しいハーモニーを奏でようとする技術も特筆物。音のキレ、重低音のパワフルさが特徴。
阿部 古いものが好きかと思ったら最先端のスピーカーまで。
富士産業(現スバル)のスクーター。徳島県にあるラビットスクーター専門ショップ、プアコで購入した1950年代後半製造のヴィンテージ。エンジンストップが怖いため、基本、乗り回すのは近所に限定している。
HAROSHI でも、基本は古いものかもしれません。バイクのラビットなんてかなりのお気に入り。あるとき無性に乗りたくなり、ラビットを売っているスケーターを紹介してもらいました。ただ……。
阿部 ただ?
HAROSHI 僕は、ボロボロなラビットが欲しかった。でも新品同様に塗装されて納車されたんです(笑)。でも今では、この渋い色みが気に入って、愛着がありますね。