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現在進行形で挑戦する姿を見てもらいたい



編集部 お笑いと教育現場を行き来するからこそ見える視点、伝えられることってありますか?

野村さん 多いですね。昔は、ライブに行けば「教師がなにやってるんだ」と言われ、学校に行けば「なぜお笑い芸人がいるんだ」と言われていて……。居場所がない中で始まったけど、自分たちの興味関心がそこにあったのでやり続けていた。

芸人でありながら教師でもある存在として、ワークショップで笑わせられるというのは自信になっているし、ネタを通して授業ができるのも強みだと思っています。共通言語がない場所でもネタがあれば、共通体験を作って笑わせることができるので。それは自分たちにしかできないことですよね。

矢島さん 「5年後、10年後、教育と笑いの世界で俺らがメインになっている。お笑い、教育界で俺らをバカにしていた奴ら見てろ」と思ってやってきました。そういう想いは忘れちゃいけない。自分たちのできることを昇華したいと思って続けてきて、「日本一学校をまわるお笑いコンビ」と言われるようになった。

野村さん そうやって、チャレンジしている姿を見せるのが僕らの伝えられることでもあるよね。

矢島さん そう。チャップリンも「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」と言っていたけど、短期的に見て悲観的にならず、「人生はすべてお笑いである」と思いたいから続けている。滑っても、失敗しても全部フリだから。

子どもたちには、現在進行形の僕らを見てもらうことが刺激になると思っています。先生というと偉い人みたいな扱いになっちゃうけど、「たいしたことのない人間だよ。まだまだ人生を完成させようともがいている途中」という姿を見てほしいですね。

野村さん ライブでスべると、自我が痩せるんですよね。逆に、先生と呼ばれ続けると自我が太っていく感じがする。前に、「研修医が先生と呼ばれるようになると、失敗が怖くなって、なにもできなくなる」と教えてもらったことがあるんです。だから、先生という言葉におごらず、ちゃんとライブに出て、ちゃんと滑ることも僕らにとっては必要。
 



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