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桓騎の根底にあるのは「怒り」



68巻では、それまで謎だった桓騎の過去がようやく描かれました。桓騎がなぜ「首切り桓騎」と呼ばれる人間になってしまったのかっていう部分ですね。

桓騎は子供の頃、道で倒れてるところを偲央っていう女の子に助けられました。偲央っていうのは、盗品を大野盗団「狼甫一家」に納めることで命を保証されていた、小さな盗賊団のリーダーですね。

それで桓騎はある日、偲央たちを守るために、クソみたいな狼甫一家の5人を殺しちゃったんですよ。

それまで偲央たちは復讐を恐れて服従していたから、桓騎に対して「なんてことするんだ!」って怒りの矛先を向けるんですけど、桓騎は「奪われることが当たり前になってることがおかしいんだ」って逆ギレします。

案の定、狼甫一家の復讐が始まるんですけど、桓騎は仲間が誰ひとり傷つけられないための対抗手段として、追手全員をめちゃくちゃ残虐な殺し方で返り討ちにし続けました。

桓騎は生きるために、あえて頭のおかしさを演出したんですよね。そこには彼なりの正義があったし、実際、狼甫一家は桓騎たちに関わろうとしなくなったんですよ。

世の中の構造への怒りを口にした少年時代の桓騎(67巻)

世の中の構造に対する怒りを口にした少年時代の桓騎(単行本67巻)。


そのあともスゴいです。

「底辺のお前たちは、敵は高いところにいるクソ野郎だと思っているだろうが、本当はそうじゃない。底辺が本当に怒りを向けるべき相手は無関係を決め込んでいる“中間の奴ら”だ」っていう、スゴく深いことを桓騎は言ってるんですよ。まだ少年なのに。

動画のほうでは、桓騎軍の他の武将や名シーンについても深掘りしてるので、ぜひそちらもご覧ください。



『キングダム』はこのテンションでずっと続いてるのがとにかくスゴい。これからどうなるんだろう? 中華統一の話なのに、まだどの国も滅びてないし。もう70巻だけど、まだ70巻って感じですよね。

『キングダム』についてはまた語りたいと思います。それでは、また次回!

絶体絶命の状況でも不敵の笑みを浮かべる桓騎(69巻)。

李牧軍に包囲され絶体絶命の状況下。そんな今際の際も桓騎は桓騎であり続けた(69巻)。

動画はコチラ!



佐藤ゆたか=写真 ぎぎまき=文

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