トレンド③ 原点回帰、古き佳き1杯「えーちゃん食堂」
「原点回帰」の1杯と出逢いたいのであれば、不動前の「えーちゃん食堂」をおいてほかにない。
営業時間が早朝から昼までと変則的で、訪問のハードルはかなり高めだが、足を運ぶ価値は十二分にあるだろう。
おすすめしたいのは「ラーメン」。スープ、メンマ、チャーシュー等の具材から発せられる褐色が、丼の中で美しいグラデーションを形成。どこからどう見ても「古き佳き昭和の中華そば」でありながら、丁寧な作り込みを感じさせるビジュアルには、一見の価値がある。
スープは、魚介素材(サバ節・ウルメ節・ウルメ煮干・平子等)の滋味を、動物系(ゲンコツ・スジ肉・肉出汁等)の重厚なコクが支え抜く、素材の魅力を詰め込んだ逸品。
啜るたびに口内で躍動する山海の恵みの滋味と、鼻腔を通じて快楽中枢を直撃する煌びやかな香りに、心動かされない人はいないだろう。
ノスタルジーを感じさせる看板メニュー「ラーメン」。
うどん用の製麺機を用いて作られる自家製麺も、香りの芳しさはもちろん、規格外のしなやかさと驚異的なコシの強さを兼ね備えた逸品。
後の世にまで残したい「原点回帰」系中華そばの白眉だ。