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セックスの話はNG!? 国の方針と教育現場のギャップ



その一方で、実際の教育現場とのギャップは、いまだ解消されていないという。

「国からの『生命の安全教育』の義務付けは行われたものの、性教育の指導要領には『歯止め規定』といって、妊娠の“過程(いわゆるセックス)”のことは取り扱わない、という規定があります。

そういった制約の中で授業を行わなければならないことから、今も『準備不足でまだはじめていない』という学校も少なくありません」。

要は、“セックスについては一切触れずに性教育をする”ということが、現在の教育現場に求められているのだ。

この「歯止め規定」は中学生までと定められており、高校生になると規定が外れる。よって、高校生からは、性行為について詳しく触れることができるため、より踏み込んだ内容も便宜上は教えられるようになる。

しかし……



「学校における性教育は、保健体育の先生に義務付けられています。とはいえ、そもそも『歯止め規定』が解除されることが、先生方に周知されておらず、中高で性教育に差をつけることはほとんどないのが実情です。

また、教員養成の過程でも性教育を学ばないこともあり、学校現場では『一体、誰がどうやって生命の安全教育を教えればいいの?』という状況に陥っています」。

“失われた20年”の間に学生生活を過ごした人が、教員になっているケースも当然ある。今の性教育を学ぶ教員研修などはあるものの、任意で学べるというだけ。実際に学び直そうという人は、本当に問題意識を強く持っている人に限られているという。

教える側の性に関する理解が一定でないことも、なかなか性教育が浸透しない原因のひとつだ。

「学校によっては、外部講師や助産師さん、性教育の普及活動を行なっているNPO法人の方などを招いて、道徳や総合の授業の一環として性教育を学ぶ、という取り組みをされているところも増えています。

私たちも性教育関連事業を行なっている一企業として、授業をさせていただく機会もあります」。


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