OCEANS

SHARE

悪酔いは酒のアルコール度数が関係



――例えば、ビールだといくらでも飲めるのに、日本酒だと悪酔いするなど、お酒との相性がある気がするのですが。

いえ、基本的にお酒というのは、体の中に入ったアルコール度数の量で酔い方が決まるはずです。昔であれば、安い酒だと変なものが入っていて、それが悪酔いを引き起こすということもありましたが、今はまずありません。だから単純に許容量を超えてしまったと考えた方がいいでしょうね。

例えば、ちゃんぽんしたり、飲みやすいカクテルだと、量が分からなくなって、いつも以上に飲み過ぎてしまうことがあります。ただ、ワインよりもシャンパンの方が酔いやすいというのは、炭酸が胃腸を刺激して、吸収率が上がっているからでしょう。

それと薬草酒などは、含まれている薬効成分が影響して酔いやすくなったり、酔いにくくなったりしている可能性はあります。

たまに体質的にビールは1ダース飲めるけど、ワインは2杯で赤くなってしまうという方もいますが、これはエビデンスがないので、理由はわからないですね。

――飲みすぎたと思ったら吐いたほうがいいのでしょうか?

自然に吐いてしまうほど気持ち悪い場合には、吐いてしまって構いませんが、自分で指を突っ込んで吐くのは、喉や食道を傷つける要因になりますので、やめた方がいいですね。

――酔っ払いやすい日と、飲んでも酔わない日があるのはなぜでしょう?

それは体調ですね。アルコールを処理するのにも体力を使います。体力が落ちてるときはアルコールの処理能力も遅いので、いつまでもアルコールが残って、酔いやすいわけです。

歳を取るとお酒が弱くなるというのも同じで、体力や肝臓の処理能力が弱くなるから、酔いやすくなる。あとは若い頃は勢いで飲めるけれど、ある程度の年齢になるとおいしいお酒をじっくり飲みたいと思うでしょ。人によっては何歳になっても泥酔する人もいるけれど、40歳ぐらいになったら部下もできるし、悪酔いもしなくなる。それが大人の飲み方というものですよ。

 ◇

つい飲み過ぎてしまうことも多い年末年始だが、悪酔いや酒癖はアルコールでなく、あくまでも自分のせいだと心得て、楽しくお酒を飲めるように日々を過ごすことが大切だ。

林田順子=取材・文

SHARE

次の記事を読み込んでいます。