看板娘という名の愉悦 Vol.106
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
東急東横線の学芸大学。駅周辺に飲食店が密集するこじんまりとした街だ。
渋谷駅から急行で7分。バスロータリーもないため、歩行者ファースト。商店街は活気に満ちている。
昔ながらの青果店や書店が残っているのも嬉しい。左右をキョロキョロしながら歩くこと約3分。注意していないと見過ごしてしまいそうな看板がある。
こちらです。脇の階段を上がって……。
到着。左手の黒いドアが目印で、店名は「Fin.(フィン)」。2019年11月にオープンしたばかりのバーだ。
中を覗くと看板娘がペットボトルを一気飲みしていた。一応、ドリンクメニューはあるものの基本的には出さない。「目に付いた中からお好きなものをご注文ください」というスタイル。せっかくなので、彼女がいつも飲んでいるお酒をいただこう。
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