口コミサイトはユーザーが作る。楽天ぐるなびは飲食店が作る。そういう違いらしい。
「私の仕事は営業担当として店舗様の悩みや課題を聞いて、解決策を提案するというものです。横のつながりがない店舗様だとあまり情報が入ってこないので、周辺の飲食事情をリサーチして、そのデータ提供などをしています」。
入社当時は店舗に出向いてもそっけない対応を取られることもあった。しかし、綾乃さんは引き下がらない。
「新規店舗に訪問する場合は、私から提案する前にお客様のことを教えてくださいというスタンスです。たとえば、1時間いただいたら40分はこれまでの経歴、店名の由来、趣味、お酒や料理の話などの雑談です。ふらっと行ってランチを食べて『美味しかったです』と言ったりもしますね。それを続けると距離が縮まって、結果的にプランの契約をいただけるんです」。
とにかく、店舗からの好かれ方がすごい。中には、打ち合わせで行ったのに「お腹が空いてたら食べる?」と言って賄いを出してくれる店もある。居酒屋の厨房でそれを食べながら話をすることも珍しくないそうだ。
「そのうちのひとつは、東京・田町の『だん本店』さんです。ここは個室系居酒屋で隠れ家的雰囲気がよくて、お酒もお料理も美味しいので、接待などでよく人に勧めています」。
同店のレセプションパーティーに招待されたときに出てきたご馳走。
「店舗様からの要望はいろいろありますが、やはり第一は『売り上げを上げたい』ということ。最近は人材不足で困っていらっしゃるケースも増えました。
そうした課題解決のために、スタッフが足りなくても迅速に提供できるようなメニューや業務の効率化などの提案もしますが、『ぐるなびFineOrder』という業務支援ICTサービスも有効です」。
スマホで注文と決済を行うことができるモバイルオーダーシステム(左上)。
なお、ぐるなびの社員はお酒と食事を心から愛しているという。社内の宴会でも、ひたすら飲み、食べる。お酒が飲めない人もなぜか帰らない。
そして仕事柄、知人から「これぐらいの人数と単価なんだけど、いいお店ない?」と聞かれることもしばしば。もはや、宿命だ。
社内では月に1回ほどのペースで業務終了後の交流会を行っている。
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