「スーパーウォーム23 4.0x×3.0mm」14万5200円/ビーウエット(ビーウエット https://www.bpd21.com/wetsuits/)
1967年に創業した株式会社サンコー。「お客様の全身を採寸して体型に合わせるカスタムメイド専業」を謳うサーフィン用ウエットスーツメーカーだ。
使用目的やシーズンだけでなく、各選手独自のこだわりにきめ細やかに対応し、より自然な着心地と快適さを届けるという、真摯なモノ作りが自慢。これまで日本サーフィンリーグで多くのチャンピオンを輩出し、現在もオリンピック出場選手や世界選手権優勝者などが顧客リストに並ぶ。
会社の始まりをたどれば、創業者である佐藤光三氏が中学時代の親友とウエットスーツ作りを真鶴ではじめたことだ。その後60年代初頭に独立し、サンコーをレジャーダイビングが流行した際に設立した。
光三氏は工夫のある人で、不便を解消するための発想を形にすることが得意だった。
現在カッター会社やミシン業者によって量産され、世界中で使用されているローラーカッターやウエット用ミシンの送りベルトも、実は彼のアイデアで実現したものだという。
【写真6点】「魔法瓶効果を持つ世界初のウエットスーツ」の詳細を写真でチェック 1959年、創業者の佐藤光三氏は中学時代の親友、後藤道夫氏(俳優の坂東玉三郎の実兄)に誘われ、1955年に空気ボンベを背負うアクアラングダイビングを始めた。それはまったく手探りの遊びで、米空軍の軍人に葉山で習ったことが始まり。ダイビングの技術、機材、ウエットスーツから水中カメラのハウジングに至るまで、必要なものやそれまでにないまったく新しいものを発明して実験する海の遊びの天才だった。
サンコーの最大の特徴は、保温性や動きやすさというウエットスーツに求められる基本機能に、異業種で使用されている特殊技術や日本が誇る最先端繊維などを積極的に取り入れ、世界をリードする性能を生み出していることである。
その集大成が、銀(AG)の熱反射とチタン(Titanium)の蓄熱という、異なる金属が持つ特性をウエットスーツに世界で初めて付与することに成功した「#AGT210」だ。
ウエットスーツを着る最大の目的は体温を保つこと、すなわち生命維持だ。そんなウエットスーツの性能=保温性を決めるのが「生地の厚さ」であり、保温性は厚さと比例する。
いわゆる「ミリ数」が大きければ大きいほど、暖かいウエットスーツであることを意味する。ウエットスーツの首や手首、あるいはファスナーからスーツ内部に侵入した海水が体温で温められ、ラバースポンジが断熱材の役割を果たし保温を果たすからだ。
しかも、本当に優れたウエットスーツは保温性の高さを維持しつつも、着用のストレスなく身体にフィットするものでなければならない。
2/3