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さて、ビーチテニスとの出会いである。

「卒業した翌年の秋に『有明での全日本ビーチテニス選手権の主審をやらないか』と声がかかったんです。そこで、初めてビーチテニスを見ました。

選手たちはこんがり日焼けをしているうえにサングラスを付けていて目が見えないので表情が分からない、コートでは試合中でも音楽がガンガン鳴っていて、最初は『こわ』って思いました」。

しかし、連盟の人から誘われて大阪の桜ノ宮にある人工ビーチコートの体験会で初プレー。実際にやってみるとテニスと似ているが難しい。悔しいけど面白いと思い、大阪支部に所属。翌年4月には同じ桜ノ宮の大会で優勝してしまった。

春は周囲で桜の花が咲き乱れるコート。

春は周囲で桜の花が咲き乱れるコート。


やがて、有佳里さんの目は海外の大会に向き始める。
 
「2021年にイタリアで開催された世界選手権に出場したいと思ったんですが、そもそも外国人選手との人脈が一切ないときだったのでペアがいなくて。

結果的にはFacebook上にある世界的なビーチテニスのグループにペア募集中の旨を投稿して、返信をくれたロシア人と出場することになりました」。

結果は予選の1回戦で敗退。しかし、イタリアのコートの雰囲気や試合風景に心を奪われ、敗退後も会場に残って海外のトップ選手のプレーを見て釘付けになる。

スピードもショットの球質も全然違ったという。

試合後にペアのロシア人(写真右端)、対戦相手のイタリア人ペアと。

試合後にペアのロシア人(写真右端)、対戦相手のイタリア人ペアと。


「お米と麺類が大好きなんですが、イタリアで食べたボンゴレパスタの美味しさには本当に感動しました。それぞれのお店でも麺の太さや食感、使われているオリーブオイル、アサリの大きさや量が違うんですよ」。

さすが、パスタ大国のクオリティ。

さすが、パスタ大国のクオリティ。


昨年にはUAE(アラブ首長国連邦)とイタリアへの遠征、今年に入ってからはUAE、ブラジル、スペイン領のグランカナリア島、ドイツ、エストニアなどの大会を転戦した。

2022年、UAEでの大会でブラジル人とペアを組んだ時の写真。

2022年、UAEでの大会でブラジル人とペアを組んだときの写真。


中でも、ポーランド人の選手と組んだドイツ、エストニアでの試合では世界レベルのプレーに目が慣れるとともに、ビーチテニスという競技の本質がちょっとずつわかってきた。

この経験が帰国直後の日本代表選考会においても生かされたので日本代表に選出してもらったと感じているそうだ。

また、ブラジル大会では大会のオフィシャルトレーナーたちとも親交を深めた。

会場はヴィラ・ヴェーリャ(ブラジル・エスピリトサント州)にあるビーチ。

会場はヴィラ・ヴェーリャ(ブラジル・エスピリトサント州)にあるビーチ。



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