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睡眠時間が短いと太る

「睡眠時間が短い人ほど太っている傾向がある」という調査報告があります。これは世界各地で、また大人でも子どもでも同様の傾向を示しています。これはどういうことなのでしょうか。

基礎代謝量を左右するのは「成長ホルモン」です。

そして成長ホルモンを最大限に出せるのは「眠り始めの3時間」の深いノンレム睡眠時なのです。ところが、不眠や睡眠負債が原因で深いノンレム睡眠をしっかりとれないと、成長ホルモンが出ずに、太りやすい体質になってしまうのです。

不眠が原因で起こる心身の不調には、例えば、頭痛やうつ状態、のどや舌の痛み、めまい、自律神経失調症、パニック障害などがあります。

こうした、具体的な異常がないのに起こる症状や、客観的に原因が特定できない症状が「不定愁訴」です。

脳過労が全身不調の真犯人!

「不定愁訴」は、頭痛や肩こり、腰痛などという症状で現れます。

ところがこうした痛みは、本当に頭や肩、腰が悪いわけではなく、睡眠負債が溜まっているせいで脳が非常に疲れてしまって感じている痛み。

人の脳の前頭葉には痛みを手なずけるような働きがありますが、睡眠負債で脳過労になると前頭葉の働きが低下して、痛みや症状に対して逆に過敏になるのです。

具体的には、舌の痛みや手足のしびれ、発汗や吐き気など。さらには、動悸、息切れ、めまい、ふらつき、気分の落ち込みやもの忘れなどといった症状としても現れます。

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不眠とうつの負のスパイラル

不眠症に悩まされている人が3年以内にうつ病になるリスクは約4倍、不眠状態が1年以上続いている場合は約40倍高まると言われています。

現代の不規則になりがちな生活サイクルも、不眠の引き金になっているでしょう。今や、日本人の5人に1人が睡眠に関して何らかの悩みを抱えており、10人に1人が不眠症に悩んでいるという調査報告も出ています。中年以降になると、その割合は高くなります。



奥村 歩=文
東洋経済オンライン=記事提供

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