サイズ:M カシミヤ:100% 身幅:55.5cm 着丈:70cm。200年以上の歴史を持つ老舗が手掛けたネップ入りカシミヤ。厳選して仕入れた原毛から下毛のみを使用。「クオリティに対してのコスパ高し。スコットランドの伝統的なカシミヤは、風合いを育てる楽しみもある」(奥山)。10万7800円/ジョンストンズ オブ エルガン(渡辺産業 03-5466-3446)
尾崎 カシミヤと長く付き合うには、洗いをかけて育てていくわけですが、奥山さんは普段どんなケアを?
奥山 バトナーのニットはガシガシ手で洗って、タンブラーで乾燥もさせますよ。
伝統を感じられるスコットランド産の糸や、それを長年使用している老舗ブランドのカシミヤは、保温性、肌触り、柔らかさ、耐久性など、すべてにおいてアベレージが高いものが多い。
尾崎 え、それはちょっとすごい(笑)。さすがにタンブラーは、型崩れ問題が心配で、怖いですね……。
奥山 ちょっと極端かもしれませんが(笑)。でも、カシミヤは、本当はケアがしやすい素材だということがあまり浸透していませんよね。
尾崎 それはありますね。いい糸を使って仕上げたものは、丁寧に洗って付き合っていけば、よりカシミヤらしい風味が増していきますからね。
奥山 はい。それを楽しみながら付き合っていくっていうのが、カシミヤニットの醍醐味ですね。
尾崎 結局、そうやって長く付き合えるカシミヤを手に入れることができれば、コスパは良くなる。世代を超えて受け継いでいくというか。
奥山 そうですね。もちろん、すべてそうするべきとまでは思いませんが、それがカシミヤの大きな魅力。ぜひ多くの方に実感して欲しいですね。
まずは、カシミヤ混紡10%以下の定番服からトライするのもアリ! 左から5万600円/エイトン(エイトン青山 03-6427-6335)、4万7300円/キャバン(キャバン 丸の内店 03-3286-5105)
カシミヤは魅力満載ではあるけれど、まだ未体験、もしくは良さがわからないという声も聞く。ならば、その魅力を身近に体感すべく、デイリーに着るポロシャツやパーカなどから始めるのはどうだろう?
ポイントは、カシミヤの混紡比率10%以下のものからエントリーすること。コットンとカシミヤの混紡ニットは扱いやすくておすすめ。型やデザインのバリエーションも豊富だ。
「カシミヤを微量だけ混紡したウェアでも着続けると少しずつトロミが出てきて、馴染む実感があるはずです。その持ち味を体感してから、徐々に混紡率を上げていく。そんな付き合い方もアリかもしれません」(尾崎)。