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そもそも「幸福」なんて目に見えない



実際、多くの企業では、社員の「ウェルビーイング」=「幸福」という曖昧な存在を扱いあぐねているようです。

HR総研の「ウェルビーイングと健康経営」に関するアンケートによると、ウェルビーイング経営を推進している企業が感じている課題のトップは「効果の可視化方法がわからない」(52%が回答)でした。さもありなんと思います。

人が幸福であるかどうかはどう測ればよいのでしょうか。笑顔でいる時間の長さでしょうか。しかし、「顔で笑って心で泣いて」ということもあります。

「あなたは今幸福ですか?」とサーベイで聞けばよいのでしょうか。幸せとは無くなってみて初めて気づくものだったりするので、回答にそれほど信憑性があるようにも思えません。


社員に何かメリットがある施策を手当たり次第に実施

それでも企業は「ウェルビーイング」に関心は強いようです。

同調査では、1000人以上の大企業では約半数が「ウェルビーイング」を「重視している」「やや重視している」と回答しており、「何らかの施策を既に実施している」が40%、準備中まで入れるとおよそ8割となります。

施策の内容は多種多様で、「どうすれば社員は幸福になるのか」と戸惑いながらいろいろ試しているのがよくわかります。

「テレワークの推進」を挙げる会社もあれば、「動画やEラーニングの導入」「社内報の拡充」「雇用延長制度」「健康管理システムの導入」「裁量労働の導入」などなど、あらゆる人事施策が「ウェルビーイング」のためにとされており、結局、何らか社員のためにメリットがあるものならなんでもやる、という感じになっており、やはり何が「ウェルビーイング経営」なのかはよくわかりません。


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