ブルーノート・スケール
文筆家、選曲家、DJ
青野賢一さん「憂いを帯びたムードを表し、また自然界に多数存在する色であるブルーは、多くのアーティストの着想源となり、数々の名作を生んだ」(2023年『OCEANS』12月号取材より)。
音楽のジャンルのひとつであるBlues(ブルース)は、Blue(ブルー)が語源とされており、憂鬱や悲しみという感情とリンクする。
その起源にブルースも大いに関係しているジャズにとってもまた、「ブルー」が重要なテーマであり、使用される音階に「ブルーノート・スケール」と呼ばれるものがある。
NY生まれの名門ジャズ・クラブやレコード・レーベルの名もここに由来する。
またマイルス・デイヴィスは1959年に録音したアルバムを『Kind Of Blue』と名づけ、スタイル・カウンシルは映画『ビギナーズ』のサントラで“Have you ever had it blue?”と歌った。
これらのブルーはどこかメランコリックなニュアンスだが、ほかにも海、空などさまざまなブルーを題材とし、音の響きや歌詞でそれを表現した作品は数え切れないほどある。
それらを聴いた者がどんな色合いのブルーを思い浮かべるかは自由。ある意味、自己の内面との対話ともいえそうである。
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