男性ホルモン低下を防ぐには、生活習慣の見直しもカギ
ーー更年期障害を予防するために生活習慣で気を付けるところはありますか? 男性更年期障害の予防には、テストステロンを低下させないことが重要です。
そのためにはまず生活習慣を整え、ストレスをためないようにするのが一番。栄養バランスの良い食事をとり、適度な運動をして、十分な睡眠をとることです。
過度な飲酒はテストステロンの低下につながるため、お酒の量はほどほどに。タバコは睡眠の質の低下やストレスの原因となるので、できれば禁煙が望ましいところです。
あとは、日光浴もテストステロンの上昇を促すので、日中は外を散歩したり、五感を刺激する活動も取り入れるといいでしょう。
ーー食事や運動は何がオススメですか? テストステロンの分泌を促す作用があると言われる食材は、肉や魚、卵、大豆などのタンパク質、山イモ、タマネギ、ニンニク、ニラ、アボカド、ニンジンなどです。
また、筋トレもテストステロンの分泌には効果的です。ジムに通う時間がない人は、ウォーキングやランニング、スクワットや腹筋といった簡単な筋トレを行ってみましょう。
ーー忙しいとつい偏った食生活になりがちです……。 忙しいビジネスマンの食事は、ファストフードや牛丼、カップ麺だけという人も少なくありません。この食生活を見直すだけでも、かなり改善できます。
いきなり手作り弁当や自炊というのは難しいので、脂質の多い食事の回数を減らし、野菜サラダやビタミン、ミネラル、食物繊維などの多い副菜を組み合わせた食事を目指しましょう。
ーーもし、治療せずに放置すると、体にどんな影響が出るのでしょうか? テストステロンの低下は、自然に治ることはありません。治療しなければ加齢とともに、どんどん減少していきます。
症状が出ているのにそのまま放置すると、集中力や記憶力の低下、メンタル面の不調、高血圧や2型糖尿病、心筋梗塞といった生活習慣病の発症、さらには骨粗鬆症のリスクが高まります。
普段から体の不調に目を向け、早めに医療機関を受診することが男性更年期障害の治療と予防に役立ちます。
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男性更年期障害は、30代、40代にとって身近な病気だということがわかっていただけただろうか。体のSOSを感じたら、早めの行動を心がけるべし。