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「外集団同質性バイアス」にご注意

こういう話を聞けば、極めて当たり前ではないかと思うと思うのですが、不思議なことに多くの人が外国人も個々に異なることが認識できません。なぜならば、人間には「外集団同質性バイアス」があるからです。

自分の所属する集団に比べて、他の集団のほうが同質性を高いものとみなす傾向のことです。自分と世代の異なる世代のタレントやアイドルを見ていると、みな顔が似ているような気がするのと同じです。

しかも、この外集団同質性バイアスは、男性と女性など、日常的に触れ合っている集団間でも現れる傾向と言われており、日頃接することの少ない外国人であれば、さらに強調されてもおかしくはありません。

勉強してステレオタイプを強化することなかれ



そう考えると、外国人とうまく付き合うために、良かれと思ってその国の生活習慣や文化的・宗教的背景を知ることは、気をつけなければマイナス効果になる可能性もあると言えます。

勉強すればするほど「インド人はこう」「中国人はこう」とステレオタイプなものの見方になってしまう可能性があるからです。

ですから、なかなか難しいことを申し上げますが、一旦その国の基本的な知識は勉強したとしても、それはそれとして横に置いておき、マネジメントをする際には、目の前の個人の特性に注目しなければならないのです。

「国民性」や「世代論」のようなタイプ論は、相手を理解するためのガイドラインになるものでもありますが、同時に個性を見ずに相手を固定観念で見てしまう可能性のある「諸刃の剣」であることを、ぜひ忘れないでいただければと思います。
グラフィックファシリテーター®やまざきゆにこ=イラスト・監修
曽和利光さんとリクルート時代の同期。組織のモヤモヤを描き続けて、ありたい未来を絵筆で支援した数は400超。www.graphic-facilitation.jp


曽和利光=文

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