▶︎すべての画像を見る サラリーマン生活の傍ら、副業の不動産投資で202億円もの総資産を築いた野口 薫さん。
実は不動産で得た利益を元に、ほかにも数々の事業に手を出し、多くの失敗をしてきたという。今回は、そんな投資ビジネスの失敗を語ってもらった。
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仮想通貨、マルチ商法で1億円の損失!▶︎
土地購入で400万円を騙し取られ裁判沙汰! 話を聞いたのは……
野口 薫さん(51歳)●大手機器メーカーのエンジニア。東京在住。会社員を続けながら副業で70社を経営。メインは不動産オーナー業、そのほかにも飲食業、建築業、旅館業などを手掛ける。
優しい言葉に要注意!計8000万円を損失した経緯
前回、
屋久島の不動産投資で約400万円損をしたエピソードを紹介したが、その後に力になってくれたのが、別のコンサルタント会社の社長だった。
「どうしたら解決できるかアイデアを出してくれたりして、とても親切にしてもらったんです」(野口 薫さん、以下同)。
と、同時に勧められたのが、太陽光ビジネスへの投資だった。
「『屋久島の土地にこだわるより、こっちの事業の方が儲かるよ』って。優しい言葉につられて4000万円ほど出資しました。もちろん、カードローンも含めて銀行に借り入れしながらですけどね。
ただ、実際に投資をはじめると、言っていることがコロコロ変わっていったんです。今は地主と交渉中だとか、太陽光の申請中だとか、発注してる最中だとか……。で、なかなか進まなくて、これも結局うまくいかずにほぼ全額パーです。
この事業の負債分を全額返済するのに、5年以上かかりました。今考えると、実際にこのビジネスがどこまで運営されていたのかもわかりません。親身に相談に乗ってもらったし、信頼していたのですが、今では詐欺だったんじゃないかと思います」。
さらにもうひとり、屋久島の土地購入の失敗が縁で知り合ったコンサルタント会社社長がいた。野口さんは、この人物と2つのビジネスをスタートする。
「1つ目は、ミネラルウォーター事業です。話を持ちかけられたのは、ちょうど東日本大震災が起きた後で、水不足や放射能汚染が心配されていた時期でした。九州に良質な水源を持つ会社があるから、ペットボトルに詰めて販売しようという話になったんです」。
「九州の安全な水を世界へ」をスローガンに、再び4000万円をかけて、ペットボトル工場を建設。新たな雇用創生につながると、地元の自治体からも期待をされていた。
「この事業も、カードローンや親からの借入などで工面し、2回に分けて4000万円を出しました」。
ところが、いざ稼働! というところに来て、販売先の水工場の経営が悪化。安定した納入先がなくなってしまったのだ。
「ペットボトルを納品する先がなくなり、一度は手詰まりになりました。それでも、ほかの納入先を見つけるなどして、なんとか操業を続けていたのですが……」。
今度は、2000万円で購入したペットボトル製造装置が故障。社員が休日に無断で使用し、製品を横領しようとして壊したことが判明した。そこで「さすがにもう無理だ」と撤退を決意したのだ。
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