地元での小中高時代を経て大学入学を機に上京。もともと国際協力に興味があったため、ボランティア団体に所属し、フィリピンの貧困家庭の家にホームステイもした。
「5畳ないぐらいのスペースに家族3人で住んでいて、ぎゅうぎゅうで寝るんですが、そこに私が加わるという形で。お風呂はバケツに汲んだ水で体を洗う。でも、彼らは幸せそうで、当初抱いていたイメージとは全然違う暮らしぶりでした」。
大学時代のアルバイト話も面白かった。働いていたのは温野菜しゃぶしゃぶの店。意外なことに高校時代は共学にも関わらず、男子と喋ったのは計10回ぐらいとのこと。
「このバイトで人見知りを克服しました。店の前で割引券を配る仕事もあって、私はそれがかなり得意だったんです。受け取らなかった場合も相手の目を見て『ありがとうございます』と言ったり。仕事帰りの人が多いので、この一瞬のやり取りでいい1日になればいいなと思いながらやっていました」。
「はぐくむ」に出会ったきっかけは、大学3年生のとき、友達に誘われて参加した就活イベント。それが縁でインターンとして働くようになる。
「就活生と企業をつなぐマッチングイベントを主催していて、私の仕事は企業に『参加しませんか?』とお誘いするテレアポ。はぐくむはコーチングから始まった会社で、コーチングはまず相手の話を聴いて、そこから実現したい未来を導く手法なんです。それを意識して臨むと、意外とアポが取れました」。
コーチング風景のイメージ。
当時は創業したばかりで、代表の自宅マンションの一室で同じチームのメンバーと電話をかけていました。さらに、「心から湧き上がる願いとともに対話を重ね、自分の中の自然を生きられる社会をつくる」という企業としての目標も心に響いた。
「大学卒業後は企業向け専門サービスを行う企業に就職したんですが、はぐくむのことが気になって夏休みにまたインターンとして働きました。
最終日に代表とインターン時代にお世話になった社員のCOOと3人で神奈川県の大山に登ったんですが、道中のふたりの対話を聞いているうちに、やっぱりこの会社いいなと思って。よくわからない林みたいなところで『入社したいです』と言いました」。
そのCOOというのが今回の推薦人、平山裕三さん。
「大学時代のインターンの中ではいちばんアポを取っていたので、社内では『アポ神様』と呼ばれていました。相手の心に寄り添いながら、その人のことを思ってアクションを起こす姿勢が素敵だなと思います。
テレアポにしてもコーチングにしても、たとえコミュニケーションを取る機会がなくなっても、相手のことがずっと彼女の心の中にいるんですよ」。
平山さんいわく、「僕らにはない部分をたくさん持っている」。
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