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質問9:日本仕様にハイブリッドを設定しない理由は何ですか?

回答者:中嶋裕樹 チーフブランディングオフィサー

ハイブリッドも、全世界で出せるように準備しています。われわれとしては、そのために今回のモデルを開発したともいえます。

アメリカでは、すでに1モーターのハイブリッドシステムを「タンドラ」で導入しています。もちろん、それはカーボンニュートラルを考慮してのことです。

もう1つ大事なのは、ハイブリッド化した際、モーターパワーをオフロード車のために最適化することです。はじめのタイヤのひと転がりでトルキーな感覚を出すためには、電気のレスポンスの良さは有効です。

また、ハイブリッドは、モーターパワーをどのように有効活用するか。燃費に振るのか、走行性に振るのかと、さまざまな使い方ができますから、クルマの個性に合わせてハイブリッドシステムを展開していきます。

質問10:BEV(電気自動車)の設定はないでしょうか?

回答者:中嶋裕樹 チーフブランディングオフィサー

BEVは、作ります。大事なことは、ランドクルーザーというブランドを残していこうとするなら、間違いなく将来はEVになるということです。もはや、EV化は避けて通れません。

2023年6月の「Toyota Technical Workshop」(電動化などに関する新技術を発表した技術説明会)は、ご覧いただけましたでしょうか。

今回、質問に答えてくれた開発者、左から森津氏、ハンフリーズ氏、中嶋氏(写真:トヨタ自動車)

今回、質問に答えてくれた開発者、左から森津氏、ハンフリーズ氏、中嶋氏(写真:トヨタ自動車)


あの場でお見せした、レクサスLX(300とプラットフォームを共用)は水素エンジン車ですが、すでに白ナンバーをつけていました(つまり、公道走行可能ということ)。また、ランクルと同じようなフレーム構造を持つ「ハイラックス」のBEVも出していました。

もしかすると、フレームストラクチャー(ラダーフレーム構造)は、水素タンクの搭載のしやすさや、バッテリーの衝突保護に向いているかもしれません。

将来のことは断言できませんが、このように開発側は代替燃料車のアベイラビリティ(可用性=使い続けられること)を徹底的に拡げて、さまざまなクルマを開発しています。あとはマーケットのニーズでしょうか。技術開発はしっかりやっています。

「いいクルマなんじゃないか」という予感

筆者は、開発者たちの話を聞いて、「今回のランクル250、いいクルマなんじゃないか」と思うようになった。

また、「プラドと一線を画したクルマにしたい」という開発者の思いも興味深かった。実際に乗れる日がくるまで、まだ時間はかかりそうだが、大いに楽しみな1台ではないだろうか。早く乗ってみたい気持ちが生まれた。




小川 フミオ=文
記事提供:東洋経済ONLINE

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