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ガールズシーンの底上げに貢献したカラフルプロジェクト

今や業界のレジェンド姉妹といっても差し支えないのではないだろうか? 西村碧莉(左)と詞音(右)

今や業界のレジェンド姉妹といっても差し支えないのではないだろうか? 西村碧莉(左)と詞音(右)

女子パークの先駆者だけあって、当時からトランジションを果敢に攻めていた中村貴咲

女子パークの先駆者だけあって、当時からトランジションを果敢に攻めていた中村貴咲


またムラサキパーク東京(当時は Map’s Tokyo)は、協会の主催するもの以外にも、実に様々なコンテストを開催している。これは2011年11月に行われた「SHOE GOO GIRLS CUP」というイベントになるのだが、キッズクラスの表彰台を見ると、 1位 伊佐風椰、2位 中村貴咲、3位 西村碧莉という、後のX Games日本人初の覇者、日本チャンピオン、オリンピアンが、種目の垣根を越えて並んでいるのだから面白い。

今でこそガールズシーンも確立してきて、ガールズオンリーのイベントも増えたが、当時としては非常に画期的な試みだったのではないかと思う。集合写真には前述の西村碧莉、詞音姉妹や、現日本代表コーチを務める風間美保(現在は宮本)らに加え、ゲスト枠で韓国から参戦したミニなどの姿も見られた。

当時、業界最大の展示会であるインタースタイルで何度もイベントを催したり、海外のコンテストにも積極的に参加するなどして、シーンの底上げをしてきたColorful Projectのこういった活動は、今のガールズシーンを見ると、着実に身を結んでいるのではないかと思う。

(左)左から1位 伊佐風椰、2位 中村貴咲、3位 西村碧莉。(右) 景品を受け取る幼い頃の西村碧莉

(左)左から1位 伊佐風椰、2位 中村貴咲、3位 西村碧莉。(右) 景品を受け取る幼い頃の西村碧莉

カラフルプロジェクトの呼びかけで全国から集まったガールズスケーター

カラフルプロジェクトの呼びかけで全国から集まったガールズスケーター


新世代の540マスターの出現

R to バンクでマックツイストをメイクした池田大亮

R to バンクでマックツイストをメイクした池田大亮


次は540というトリックに絞って見ていきたい。今やパークスタイルの世界では当たり前になってきたトリックともいえるが、日本でファーストインプレッションを与えたスケーターと言えば、自分は池田大亮だと思っている。

これは2012年11月に開催されたGATEでのひとコマなのだが、彼がメイクしたのは通常の540ではなく、縦回転が入る軸のズレたマックツイストである。しかもセクションがバーチカルや大きなクォーターではなく、R to バンクだったのだから、自分も目の前でシャッターを切りながら度肝を抜かれたことを覚えている。

この日の彼はミドルクラスとエキスパートクラスにWエントリーしており、どちらも優勝しただけでなく、S.S.S.という部門でベストトリック賞も受賞しているので見事に3冠を達成したのだが、このマックツイストがその際たる要因となったのは間違いないだろう。

聞けば、彼は記憶もない2~3歳頃からスノーボードもやっており、固定概念みたいなものがない年齢だったからこそ「スノーボードの延長線上の感覚でやったらできるんじゃないか!?」とトライしたら出来たのだそう。

またそのきっかけは同年6月に新横浜で開催されたElementのMAKE IT COUNT。その時はできなくてめちゃくちゃ悔しい思いをしたことで”絶対に乗ってやる!”と次の日も新横浜に足を運んでトライし続けた末の初メイク。その嬉しさは忘れられないと後に語っていた。

ノービスクラスの表彰台。真ん中に立っているので2位に輝いた幼少期の青木勇貴斗

ノービスクラスの表彰台。真ん中に立っているので2位に輝いた幼少期の青木勇貴斗


そんなGATEなのだが、特徴のひとつにノービス、ミドル、エキスパートという細かなクラス分けがある。だからこそ選手側からしたら「出やすい」のだろう。今となっては各クラス共にこんなライダーが出てたんだ! という発見もあるだろう。この時は後のオリンピアンであり、TAMPA AMの覇者となる青木勇貴斗がノービス(ビギナーの意味)クラスに出ていたのだから面白い。

今となっては国内有数のスキルを誇る選手たちも、皆が初心者の頃から積極的にコンテストに出場していたことがわかる一枚だ。

S.S.S.にてテクニカル賞を受賞した増田竜万(左)、 ハイエアー賞を受賞した堀米雄斗(中)、ベストトリック賞を受賞した池田大亮(右)

S.S.S.にてテクニカル賞を受賞した増田竜万(左)、 ハイエアー賞を受賞した堀米雄斗(中)、ベストトリック賞を受賞した池田大亮(右)



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