Go Skateboarding Day 2013
資材を用いた特設フラットバンクで披露した小島 優斗(左)の ノーリー・バックサイドヒールフリップと、北村 ”ZIZOW” 浩一のトレフリップ
続いてはまたも「本当にMap’s Tokyoなの⁉︎」という写真を紹介しよう。
だが、撮影されたのが2013年の6月21日だと知ったら、勘の鋭い人ならすでにお気付きだろう。
そう、「Go Skateboarding Day」に合わせて行われたイベントでのひとコマだ。
この日は一般社団法人のJASA(JAPAN ACTION SPORTS ASSOCIATION)が音頭を取り、渋谷周辺のデモ行進と共に提携パークの無料開放を行ったのだが、その提携パークのひとつが Map’s Tokyo だったのだ。
だが、あいにくこの時期の日本は梅雨のど真ん中に当たるので、雨天中止となってしまうケースが多い。
この年もその例に漏れず雨天となってしまったので、当然屋外のパークは使えない。
そこで施設内のインドアスペースを活用し、即席のフラットバンクやレール、マニュアルボックスを用いてムラサキスポーツのライダー達とのセッションを楽しんだという、かなり稀なケースの写真であると言えるかと思う。
ところでこのインドアスペース、もしかしたらお気付きの方もいるかもしれないが、後のムラサキスポーツ東京のショップとなる場所で行われている。ちなみにムラサキスポーツ東京という名称に変更されたのはちょうどこの頃で、徐々にその名前が周囲に浸透していくことになるのだが、なぜこの倉庫スペースだったコンテナの中にショップが出来たのだろう!?
それは次の写真を見れば、ごく自然な成り行きであったことがわかる。
このイベントのために集まったライダー達。 左から戸枝 義明、小島 優斗、中島 壮一朗、清水 葵、北村 ”ZIZOW” 浩一、瀬尻 稜
本格的なムラパー時代の幕開け
全天候型、待望の屋内パークが完成したことで「ムラサキパーク東京」は更なる飛躍を遂げた
そう、多くの人の記憶に新しいであろう、2014年10月にオープンした屋内パークだ。
現在のムラサキパーク立川立飛と比べると、木製ではあるのだが、当時としては最先端のプラザ型と呼ばれるストリートライクなパークは大きな話題となり、後の日本のスケートシーンの発展に多大な貢献をしたことは間違いない。
なぜなら、ココで育ったスケーターが堀米雄斗や西村碧莉なのだから、それ以上説得力のある言葉はないだろう。
ムラサキパーク東京は、部分的リニューアルでこのパーク中央部のセクションを変更している。 この当初のセクションに懐かしさを覚える人もいるだろう。
同時にこんな素晴らしいパークが出来るのであれば、当然ショップの必要性も出てくる。
前述したようなコンテストだけでなく、当時活況を見せ始めていたスクールや体験会といった日常的なイベントを行うにも重要な存在になるので、パークの価値や意味合いもさらに増すことになり、相乗効果でブランド価値が高まっていくからだ。
こうして「ムラサキパーク東京」は、国内最高峰の新たな屋内パークに加え、充実した品揃えのショップも完備。
そしてこの後は五輪競技への採用と共に、更なる飛躍を遂げていくことになるのだが、その模様は、また次回のコラムでお届けしたいと思う。
吉田佳央 / Yoshio Yoshida(
@yoshio_y_)
1982年生まれ。静岡県焼津市出身。
高校生の頃に写真とスケートボードに出会い、双方に明け暮れる学生時代を過ごす。
大学卒業後は写真スタジオ勤務を経たのち、2010年より当時国内最大の専門誌TRANSWORLD SKATEboarding JAPAN編集部に入社。約7年間にわたり専属カメラマン・編集・ライターをこなし、最前線のシーンの目撃者となる。2017年に独立後は日本スケートボード協会のオフィシャルカメラマンを務めている他、ハウツー本の監修や講座講師等も務める。ファッションやライフスタイル、広告等幅広いフィールドで撮影をこなしながら、スケートボードの魅力を広げ続けている。