コーヒー豆は濡れたまま焙煎する!?
ーーアームズメソッドでは濡れた豆のまま焙煎しますが、それも珍しいことですよね? そうですね。一般的な焙煎方法とはまったく違います。乾かした状態で焙煎するのが常識です。
ーーなぜ濡れたまま焙煎するんですか? 大豆も小豆も米も、調理をするときは水を使いますよね? 種の調理は基本的に水分を使うことが多いんです。じゃあコーヒー豆も乾かす必要はなくて、水分を含んだままやれば簡単なんじゃないの?って考えました。
アームズメソッドでは、濡れた豆を焙煎機に入れてから火力とガス圧を全開にし、豆を蒸す。剥けた薄皮を吸い出し、豆の香りが出てきたら排気をコントロールする。
ーーなるほど。 やってみたら、乾いた豆を焙煎するより、焼きムラが出にくかったんです。
それに、濡れたままの方が洗浄では取り切れなかった農薬や汚水がほぼ完全に抜けることもわかりました。水分値が高い状態で火力を全力にして焼くと、体積が変わって水蒸気として出ていくので、理論的にはほぼケミカルフリーになるんですよ。
ーーちなみに、焙煎時間はどれくらいですか? 2kgの豆で30〜40分程度です。1分ごとに温度を見て記録するといった手間がないし、なにより簡単です。アームズメソッドのメンバーには小学5年生の子もいますが、ちゃんと美味しく焙煎ができています。
洗浄したことで豆から出るバージンオイルも透明に近いため、この艶が出るという。
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50℃のお湯で洗う、水蒸気焙煎をする、というほかとは一線を画すアームズメソッドだが、さらにコーヒーのポテンシャルを引き出す「一番出汁」と呼ばれる抽出方法も提唱している。
興味のある人は竹林さんの動画をぜひ参考にしてほしいが、どの豆でも、この淹れ方をやればおいしさMAXらしい。
ちなみに、試飲したコーヒーは本当に雑味やエグみがなく、これまで飲んだことがないほど美味しいコーヒーだった。
エグみや雑味を取り除いたコーヒーは、数時間放置しても変わらずおいしいのが驚き!