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時代を象徴する場所

今や都市部の多くの場所にスケートボード禁止の看板が立つようになった。

今や都市部の多くの場所にスケートボード禁止の看板が立つようになった。


ではそんな日本の現状とはどんなものなのだろうか。

これから現代の象徴といえるような場所を紹介してしていきたい。もちろんこういった対策をとるのは困っている方がいるからであり、そこを真っ向から否定し、スケートボードをやらせてほしいというつもりは全くないのだが、本来あるべき街の姿、つまりこのようになる前の何も注意看板がなかった頃の光景を思い浮かべると、真剣に考えるべき問題ではないかと思う。



まずはこの階段から。

禁煙看板もセットになってはいるが、ここまでいくつものスケートボード禁止の看板を立てている場所は珍しい。ただ、さすがにここまでいくと、都市景観という意味では美しさが損なわれてしまうと感じる人も、中にはいるのではないだろうか。

以前までこの場所は小さな禁止看板がひとつ立っていただけなので、東京五輪で話題になると共に、マスメディアの報道などから「スケーターは街中を荒らす存在」という認知ばかりが先に進んでしまったため、防御本能として追加されたのではないか。という憶測が働いたとしてもおかしくないといえるほど、はっきりとした意思表示をしている。



対して、この写真はどうだろうか。

とある風光明媚な海岸沿いにある道路なのだが、無造作に砂や花壇、植え込みが設置されたことで、全く違う景色に姿を変えてしまったのだ。



無造作に設置された花壇や砂、植え込みなど。この場所も以前までこういったものは一切なかった。

無造作に設置された花壇や砂、植え込みなど。この場所も以前までこういったものは一切なかった。


今のようになる前まで、この場所は多くの愛好者が集まるコミュニティの形成場所になっており、さらにカルチャー醸成の場にもなっていた。

この地に自然と集まった人々で結成されたクルーの映像作品は全国的な話題を呼び、当時のアンダーグラウンド文化の中で一時代を築いた、愛好者にとってはとても大切な場所でもあるのだ。

興味がない人には信じられないのかもしれないが、全国、いや世界からこの地へスケートボードをしにやってくる人もいたほど、影響力は大きかった。

そのためこの地で育ったスケートボーダーからは「僕らはこの場所が好きだし、純粋に楽しんでいるだけなのに、こうなってしまったことが辛い。悪い人間でもないのに」といった声も聞こえてきている。




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