10年&13万キロ超でも、南米3500kmを走破!
お手頃価格でも走らないんじゃなあ……という不安を払拭するかのように、南米の美しくも険しい3500 kmの道を初代カイエンで駆け抜けた男がいる。雑誌「カーヴス」のマスターであるステファン・ボグナー氏だ。
選ばれたのは2009年式と2010年式の初代カイエン。どちらも3.6LのV6エンジンを搭載し、走行距離は両車とも13万kmを超えていた。
そんな中古感バリバリのカイエン2台に乗った冒険野郎チームは、チリのプエルトモントを出発して、南米大陸最南端を目指した。彼ら曰く「世界の果てを旅する」ロードトリップだ。
途中、標高2300mの火山の脇を通り抜け、錆びたケーブルが支える古い吊り橋を渡り、氷河由来の緑色や青みがかった水をたたえる湖を眺めて、ついに氷河そのものにも出会った。
もちろん車輪がスリップするようなぬかるみや、そこら中に点在する穴、生い茂る草木、そして果てしなく続く砂利ばかりといったコースコンディションだったが、それでも2台の初代カイエンは、文句ひとつ言わなかったようだ。
確かに安く買えるポルシェとはいえ、いざ故障をすれば修理費は安くはない。機械である以上、適切なメンテナンスはどうしても必要だ。
けれど10年以上前のカイエンでも、険しい山やぬかるんだ湖畔にでかけたり、3500kmを走破したりできると聞けば、その安心感や信頼感は今でも十分と思えるのが初代カイエンの凄いところだ。
そういえば、初代カイエンよりちょい前に出ていた、同じ涙目ライトのポルシェに、996型「911」がある。一時は200万円を切る中古車もあったのに最近は価格が上がってきて、今や平均価格は400万円超。
初代カイエンも同様にこの先値上がりするかは分からないが、とにかく今はまだ安いことは確か。この夏冒険に出掛けたい人は初代カイエンをぜひご一考いただきたい。