「ランドローバー」という名前の歴史
そもそもイギリス車の歴史は入り組んでいるため、わかりにくい。
例えばクラシックミニを「ローバー・ミニ」と覚えている人も少なからずいるだろうが、時代によって「オースチン・ミニ(セブン)」や「モーリス・ミニ」とも呼ばれていたりする。
会社の合併と社名変更が繰り返される中、たまたま日本に正規ディーラーが出来た折に社名がオースチン・ローバー社に、そしてローバー社へと改められたため、「ローバー・ミニ」と呼ばれていたのだ。
そのローバー社の黎明期、まだローバー・カンパニーと名乗っていた頃に開発されたのが「ランドローバー」という車だ。
やがてランドローバーは車名であると同時にブランド名となり、派生車種として「レンジローバー」が生まれた。さらに「ディスカバリー」が誕生すると、当時のランドローバー・シリーズIIIを「ディフェンダー」へと改名。
そこからランドローバーはブランド名のみとなったというわけだ。
その後もBMWやフォードも参入するなど「ランドローバー」や「レンジローバー」のブランド名は移ろうが、現在はインドのタタ・モーターズが親会社、その傘下にあるのがジャガー・ランドローバー社となる。
【写真20点】「レンジとディスコとディフェンダーの違い」の詳細写真をチェック 「ランドローバー」とは3車種の祖に当たる4WD車
現在のジャガー・ランドローバー社には、「レンジローバー」「ディフェンダー」「ディスカバリー」「ジャガー」の4ブランドが存在し、ジャガー以外の3ブランドがランドローバーを祖に持つ。
もともとは戦時中のジープのような車をと開発された。そこから「もう少し、貴族が領地を回るのにふさわしい車を」とレンジローバーが誕生。
さらにファミリー向けにディスカバリーが生まれ、先述の通り、同時にランドローバーがディフェンダーと名前を変えたということだ。
だからざっくりと個性を分けるなら、「レンジローバー」はラグジュアリー志向で、「ディスカバリー」はファミリー向け、「ディフェンダー」は本格オフロード仕様、という感じ。
そしてジャガー・ランドローバー社は、今でもこの3ブランドの違いをしっかり主張している。その違いについて、各車の最新モデルごとに見ていこう。
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