まるでギャンブル依存症? 負けを取り返そうと必死なるほど深みにハマる
株式投資では一部利益が出たものの、ほとんどは損切りをした清川さん。
とはいえ不思議なのは、長期保有していれば株価が上がりそうな企業もあったということ。そんなに慌てて売らなくてもよかったのではないだろうか……と思ってしまう。
「俯瞰的に見れば、そうかもしれません。でも1カ月で10%落ちると、2カ月後、3カ月後はもっと下がるんじゃないかって疑心暗鬼になるんですよ。
しかも、株が下がっている間は、ずっと気持ちがザワザワしている。だから1カ月値動きがないなら、売ったほうがいいと思ってしまうんです。
それに僕、株をやっていた2年間は、仕事中もずっとYahooファイナンスで、株価をチェックしている状態で。今日は上がっている、下がっていると気になって仕方ない。こんな精神状態が続くのなら、もうやめようと思ったんです」。
そもそも清川さんは当初、株主優待目当てで、株で儲けようとは思っていなかった。それなのに負けを取り返そうと必死になり、気づけば有り金をほとんど突っ込んだ。まるでギャンブル依存症である。
「今思えば、捨てても惜しくない、生活に影響がない5万〜10万円ぐらいでやっておけばよかったんです。そうしたら株価が下がっても、少し待ってみようと思うことができたのでしょうね」。
当時、すでに公認会計士の資格を持っていた清川さんだったが、実は株式投資についてはまったくの素人だったという。
「公認会計士だからって、お金全般に詳しいわけじゃありません。当時の株の認識は、下がったら上がるだろう、みたいなレベルの知識でしたし(笑)」。
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